PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 墨跡つき仏像カレンダー2025

表現の多様性 コミュニケーションを豊かに(10月23日付)

2024年10月25日 10時20分

日常的なコミュニケーションの在り方をよく観察すると、私たちは言葉や全身を使った多様で複雑な表現方法によって情報をやりとりしていることが分かる。このことから、相手の息遣いを感じることのないSNSを駆使した会話や情報交換、あるいはデジタル化された音声や視覚だけに偏ったコミュニケーションでは気分や感情の起伏を十分に伝達することは難しいと気付く。

表情は心を映し出す鏡のようなものだから、対面する相手のまなざしや口の動き、顔色の微妙な変化によって、その人の心の状態が読み取れる。「目は心の窓」といわれ、「口ほどに物を言う」という。不平不満があれば知らず知らずに口元がゆがみ、うれしさや喜びは自然に笑顔となって表れる。言葉を音声として聞けない人は、唇の動きや表情から読み取り、音声だけを聞き取る場合は息遣いや声色からも理解する。

聴覚障害のある子どもが、マスクを着けることにいら立ち、怒りをぶつけるようになったと話す母親がいた。ウイルスを防ぐためにマスクは欠かせないアイテムだが、円滑なコミュニケーションや相互理解のためには障害物となる。このため、口元が透明になったマスクが開発されている。

人と人とのコミュニケーションにおいて、言語情報、聴覚情報、視覚情報のうちどの情報が相手の印象に影響を与えるかを調べたデータがある。心理学者のアルバート・メラビアンが1971年に、口調の強弱や表情の変化によって印象に違いがあるかを独自に検証したもので、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%のウエートで影響を与えるという結果が得られた。これが言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションのいずれが優先されるかを判断する手がかりとされ、言語情報(Verbal)、聴覚情報(Vocal)、視覚情報(Visual)の頭文字を取って3Vの法則、またはメラビアンの法則と呼ばれている。

言語情報とは直接的に話したり書いたりすることで相手に伝える情報。聴覚情報や視覚情報は、言葉を介さなくても身ぶり手ぶりや顔の表情、声のトーンや発音の強弱などで思いや感情を相手に伝えることができる。非言語コミュニケーションが相互理解の上で大切な要素であるからといって、この法則が言語コミュニケーションを軽視してよいと結論付けているわけではない。目指すところはバランスの取れた、豊かなコミュニケーションの回復にあると言えるのではないだろうか。

理性を見失った社会 特攻隊の悲劇から学ぶ(10月18日付)10月23日

神風特攻隊が「敷島」「大和」「朝日」「山桜」の4隊編成で初めて出撃し、フィリピン・レイテ島沖で米空母群に体当たり攻撃したのは80年前の1944年10月だった。帰還を許さぬ…

平和賞受賞の意義 核使用の「タブー」を護る(10月16日付)10月18日

広島と長崎への米軍原爆投下の生存者で構成する日本被爆者団体協議会(以下、日本被団協)に2024年度のノーベル平和賞が授与されることが11日、ノルウェー・ノーベル委員会から…

“かかりつけ葬儀社” 人生のステージに支え(10月11日付)10月16日

葬儀をどう位置付けるかは宗教者にとって重要な問題だ。僧侶が主催して京都で開かれた「ライフエンディング研究会」で、東京都小金井市で葬儀社を経営する是枝嗣人氏が講演、死者と遺…

本願寺派総局 宗務機構の改革案提示 「8部署1課」へ効率化

ニュース10月25日
山麓から約2時間半練って薬王院に到着した佐藤貫首

麓から華やかにお練り 高尾山で大祭 秋の訪れ告げる

ニュース10月25日

司教任命暫定協定 4年間延長で合意 バチカン・中国

ニュース10月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加