選ばれる学校目指して
花園中高 中村広記校長(56)
4月から校長に就任した。職員が校長に就くのは1996年以来29年ぶりで、学校を熟知した新校長の手腕に期待がかかる。
新卒で就職し、今年で34年。「学校の魅力や強さを熟知している。逆に抱える課題も知っている。喫緊に解決しなくてはならない問題について「『すぐに力を発揮せよ』と期待されている」と自覚する。
臨済宗妙心寺派の宗門校だけあって、全校生徒に毎週、坐禅や法話を聞く時間がある。教育の根幹に禅の教えが根付く。特に中高一貫の「スーパーグローバルZENコース」は週4回、20分間の早朝坐禅を6年間行う。2016年に開設したコースで、生徒らの進路は海外の大学。毎年、欧米やアジアなどに留学する優れた生徒を輩出している。
『臨済録』の言葉「随処に主と作れば、立処皆真なり」との出合いがコースの設立につながった。「どこにいてもそこが真実の場所となるということ。妙心寺が経営する学校はこういう視点でグローバル人材を輩出すべきだ」と思い立った。禅とグローバルがリンクした瞬間だった。
30年前とは時代が大きく変わり、生徒や保護者らの価値観やニーズが多様化した。「選ばれる学校を目指している。生徒にとっても保護者にとっても教職員にとってもいい学校にしたい」
16年に開設したコースは今春、10期生を迎えた。「様々な所を一から点検し、ブラッシュアップしていく。長年勤めていることをアドバンテージに、一緒に歩んできた恵まれた同僚・チームと共に次の一手を打ちたい」と語った。
(赤坂史人)