法然上人の言葉かみしめ
浄土宗大本山善導寺 日下部匡信法主(65)
浄土宗第二祖・聖光上人を開山とする九州の念仏道場、大本山善導寺(福岡県久留米市)に第68世法主として9月1日に就任した。
22年にわたり法主を務めた阿川文正・前法主(95)が8月31日に辞任したことから、後任として推戴された。
自坊は長崎県平戸市大島村(的山大島)にある長徳寺。佛教大を卒業後すぐに晋山し、住職歴は42年になる。今後はフェリーと車で大島と本山との間を行き来することになる。
宗内では、長崎教区平戸組組長や同教区議会議長などを歴任。布教師として活躍し、善導寺布教師会会長も務めた。
法然上人の「阿弥陀様の本願に出遇えたことは、おぼろげの縁にあらず」の言葉をかみしめる。今年は浄土宗開宗850年の記念の年。布教で開宗の御文の最後の5文字「順彼仏願故」を説いてきたが、この教えを頂戴できるのは聖光上人のおかげだという。
聖光上人が法然上人の教えを間違いなく後世に伝えるために、1228(安貞2)年に『末代念仏授手印』を著してから、もうすぐ800年を迎えようとしている。また聖光上人が仁孝天皇から国師号を贈られてから間もなく200年になる。
総本山知恩院(京都市東山区)での法主認証式後に営まれた寿賀式では「これらの重なるご縁に身の引き締まる思い。一信者として、一念仏者として、法然上人御法語の『一紙小消息』にある『喜ぶべし、報ずべし、頼むべし、信ずべし』のお言葉をしっかり味わって進んでいきたい」と抱負を語った。
(磯部五月、椎葉太貴)