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福田に植える

〈コラム〉風鐸2025年3月26日 11時24分

「福田」という仏教語がある。「ふくだ」ではなく、「ふくでん」と読む。寺号を福田寺というお寺もある。試しにグーグルマップで検索してみると、全国に数十の福田寺があるようだ。多くは関西に位置し、東北や九州、四国地方にもある◆『佛教語大辞典』(中村元著、東京書籍)によると、福田とは「福徳を生み出す田、幸福を育てる田地の意。人びとが功徳を植える場所。人びとの幸福の種がまかれる田」などの意味という。ごく大ざっぱに言うなら、恵みをもたらす源といったところだろうか◆このところ、現実の田んぼから届くはずの恵みがどこかおかしなことになっている。コメの価格高騰と品薄状態が収まらない。小売店によっては仕入れ価格が去年の倍近くに上がっているというから、食卓と家計に与える影響は大きい◆こうした事態を受け、政府は備蓄米の放出を決めた。ただ、放出の効果がいつどのような形で表れるかははっきりしておらず、実際にコメの小売価格が落ち着くかどうか半信半疑という人が大半ではないか。投機的な買い付けの動きが価格高騰に拍車をかけているとの指摘もあり、このまま高止まりする懸念も残る◆「令和の米騒動」ともいわれる状況が続けば、つらいのは消費者だけではないだろう。福田に植えた苗を手塩にかけて育て、黄金色の稲穂を実らせる生産者もまた、心を痛めているに違いない。(三輪万明)

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