PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座

新しい音楽が息づくとき 一〇〇年前の日本のざわめきを読む…井手口彰典・山本美紀編著

2025年3月26日 11時25分
新しい音楽が息づくとき 一〇〇年前の日本のざわめきを読む

音楽好きの者には読み飽きない本である。今から100年前、1920~30年代の日本の音楽文化について、当時活躍した人物や団体、流行した歌などを取り上げつつ多面的に考察を加えたもの。大正の後半から昭和初期にかけてのこの時代は、我が国の音楽文化の流れを考える上で重要な変革の時期だと編著者は述べている。

日本の洋楽受容は明治期から本格化する。大正期に入ると「洋楽摂取の段階を脱し、西洋音楽を自分たちの表現方法の一つとして積極的に転用・応用・活用するようになる」。音楽教育の面でも日本人が作曲した唱歌が歌われるようになり、西洋クラシック音楽、交響楽団の結成、オペラの上演など新しい音楽文化が勢いを増し、一方で邦楽と洋楽の融合も進んでいく。レコードや映画の普及も音楽状況の多様化を促す原動力となった。

全体は6章と七つのコラムで構成され、執筆者は12人に上る。宝塚音楽歌劇学校の創設や港町神戸で育った音楽表現の可能性、子どものための賛美歌の誕生、近代化する仏教教団と宗歌、「城ヶ島の雨」の普及プロセスについての分析、キリシタンの布教に始まる西洋音楽との出会いと感動についての考察など、角度を変えた視点から我が国近代の音楽受容の諸相を捉えている。

定価3080円、春秋社(電話03・3255・9611)刊。

荷澤神會研究 神會の生涯・著作・思想とその史的意義

荷澤神會研究 神會の生涯・著作・思想とその史的意義…伊吹敦著

3月28日

中国禅宗史は、インドから菩提達磨がやって来て初祖となり、二祖となる慧可から五祖弘忍、六祖慧能と法灯が受け継がれ、やがて五家七宗へと広がる。本書は慧能の弟子・荷澤神會の生涯…

清沢満之の宗教哲学

清沢満之の宗教哲学…山本伸裕著

3月27日

近代の真宗大谷派を代表する知識人でありながら一般の認知度が高いとはいえない清沢満之の「復権」を目指す。著者がひもといた清沢の思想を、教・行・信・証の4章形式で述べていく。…

植民地朝鮮の予言と民衆宗教

植民地朝鮮の予言と民衆宗教…朴海仙著

3月24日

19世紀末から20世紀初頭にかけ、中国を中心とした東アジアの国際秩序は大きく揺らぐ。日清・日露戦争、韓国併合と朝鮮総督府の設立で朝鮮は日本の植民地支配下に置かれた。民衆の…

災害地支援の温度差 「身になる」ことの重要性(3月26日付)

社説3月28日

米作りの祭事 日本の原点を考える(3月21日付)

社説3月26日

多国間協力推進 今こそ宗教の叡智結集を(3月19日付)

社説3月21日
このエントリーをはてなブックマークに追加