地元の芸術向上 貢献 自然法爾を大切に指導
東京都台東区・浄土真宗東本願寺派妙清寺 本多良之住職

浄土真宗東本願寺派妙清寺(東京都台東区)の本多良之住職は、画家として信仰心溢れる作品を生み出すとともに、絵手紙教室や水墨画教室の講師を務め絵を指導し、絵を通して地域の芸術文化向上に貢献している。
1956年に妙清寺に生まれ、書家だった父の本多良謙・前住職の影響で3歳の頃から書や絵に親しんだ。子どもの絵の教育の重要性を説いた外山卯三郎氏の弟子、林田重正氏に油絵を学び、その後、前住職の師だった会津八一氏の「絵のある書」(絵手紙)に出合った。
78年に大谷大を卒業後、東京本願寺(現東本願寺)に入り、20年の間に法務部長、内事部長、総務局長、総務などを歴任。茨城県牛久市の牛久大仏(全長120㍍、93年完成)の建立に建設委員会の事務局長として携わった。
98年に本山を退職し、妙清寺17世住職を継職。この時「絵を通して仏縁を」と願い、得意の絵手紙の技術を生かして日本絵手紙協会の公認講師となり、絵手紙教室を主宰した。12年前からは、地元の水墨画サークル墨英会、墨友会の講師も務めている。
指導方針は林田氏の精神を受け継ぎ「芸術は形にとらわれずに楽しみ、続けることが大切」とし、基本的なことを教えた後は自由に描かせている。「心を込めて一生懸命研鑽を積むことで、技術は自然に身に付いてくる。下手でもいい。思いのままに描いてほしい」と自然法爾を大切に指導する。
活動が台東区の文化、芸術関係者の目に留まり美術会常任委員を委嘱され、美術展の審査委員などを務める。自身の作品も展覧会で度々入賞。地域の多くの施設、店舗などに本多住職の作品が飾られている。
「月の本多」との異名を持つ。作品には月が多く登場し、金属箔を使うなど多彩な技法で描かれている。
最新作は地元のマンションのエントランスに掲げられた「月に竹露」。幅2・67㍍、高さ1・23㍍の本金箔・絹本仕様の絵が二額一対になった大作だ。表具にもこだわり、黒色でちりめんのオリジナルマットで絵を囲んでいる。メインの月はプラチナ、白金、バナジウムを押して表現した。
「継続は力なり。『道は極めるものではなく歩むもの』との精神で、今後も絵の指導や創作活動を続けていきたい」
(河合清治)