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「仏教×ビジネス」模索 異業種交流で朝市・法要

横浜市南区・浄土宗光明寺 石田一裕住職(43)

今年の新年会でLTRのメンバーらに囲まれる石田住職(下段中央) 今年の新年会でLTRのメンバーらに囲まれる石田住職(下段中央)

山肌に多くの墓地が連なる横浜・久保山の地に浄土宗光明寺(横浜市南区)はある。石田一裕住職は「仏教×ビジネス」を掲げ、働く人々に寺院での法要や写経を通じて仏教に触れてもらう中で自身の心を見つめ直し、また働くことの意味を考え直す機会を提供しようと模索している。

5年ほど前、市内を中心とした士業家らのグループ「LTRコンサルティングパートナーズ」との縁ができたことがきっかけ。LTRは地域貢献活動にも取り組んでおり「寺院を舞台とした新たなビジネス企画やコラボレーションはできないだろうか」との提案を持ち掛けられた。以来、石田住職を交えた異業種間の話し合いの場が2カ月に1度ほどのペースで現在まで続いており「金銭的な面も含めたお寺の様々な付加価値についての提案や、これまで考えてもみなかった法要行事のアイデアなど、私にとっても新たな気付きが得られている」と話す。

そうした交流の一環として、当時はコロナ禍だったこともあり、広いスペースのある本堂や会館を会場にLTRの新年会が催されることに。石田住職による開運祈願法要や法話、新たなメンバーとの賀詞交換、近隣の囃子連による獅子舞の奉納など、LTRからの希望を踏まえつつ趣向を凝らした。今では毎年恒例となっている。そのほか、写経会や知り合いの曹洞宗僧侶を講師とした坐禅会、写経会で書写した経文を総本山知恩院の納経塔へ奉納する参拝旅行などもLTRのメンバーらと行ってきた。

こうした取り組みに端を発して、光明寺での葬儀社主催の出張朝市や、会計事務所の経営計画発表会開催など、企業や会社とコラボする機会が格段に増えた。

檀家の中小企業にも働きかけ、鶏肉店の食鳥法要や鰻店の放生会などの法要も営むようになった。石田住職は「町のお寺で、社長などの個人からではなく会社などの法人からの依頼でこうした法要をしている所は少ないと思う。しかし今後、開拓していく価値があるのではないか。そうした中で皆さんに仕事のための仏法を説いていければ」と話す。

LTRからは士業家らしく、成年後見や遺贈など終活にまつわる煩雑な手続きを安心して供養に至るまでシームレスにつなげるための仕組みづくりや、地域の子どもらへのキャリア教育の会場として寺院を活用する案なども出ており、実行可能か検討中だという。

(佐藤慎太郎)

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