真慧上人について 高田派第十世である真慧上人(1434~1512)は、第九世定顕上人の子息として誕生した。その行実は『代々上人聞書』『高田ノ上人代々ノ聞書』や、五天良空が…
1、遺文研究の集大成 近年の日蓮遺文研究の進展には目を見張らされるところがある。とりわけ日興門流に連なる興風談所は、御書システムの提供や、雑誌『興風』及び『興風叢書』の刊…
曹洞宗で太祖と仰ぐ、大本山總持寺御開山・瑩山紹瑾禅師(1264~1325)の俗姓について、現在の宗門内では「瓜生氏」として紹介されることが多い。しかし、江戸時代までの史伝…
律と呼ばれるインド仏教聖典の一群は、その独特の性質から、仏教という宗教を知ろうとする者に豊かな知見をもたらす。「部派仏教研究の現状と展開」最終回となる本稿では、律を対象と…
古代インド仏教において、上座部でもっとも有力な学派だったのが説一切有部である。そして、その代表的な文献である世親の『阿毘達磨倶舎論』は、奈良時代に初めて日本に伝来して以降…
「倶舎学」とは、『阿毘達磨倶舎論(アビダルマ・コーシャ)』と関連文献の研究を通して築かれた、知の総体を指す語である。その核となる『倶舎論』は、紀元後5世紀ごろのガンダーラ…
筆者はインド仏教において大きな勢力を誇った説一切有部(以下、有部と略)の教理研究を専門とする。有部の広範で緻密な教理を研究の対象とするのはもちろんであるが、筆者の関心の中…
釈尊滅後のインドの部派仏教時代、数ある部派の中でも最も優勢を誇った説一切有部(以下、有部)という部派があった。彼らはアビダルマ文献とも呼ばれる数多くの仏教哲学文献を創出し…