近世期の浄土真宗は他宗派に比べ堕胎と間引き(嬰児殺)を強く戒めた、と言われてきた。これは浄土真宗本願寺派、真宗大谷派などを問わず浄土真宗一般の傾向と言われ、近代以降の社会…
コロナ禍以降の世界の構図 今日の世界のおかしさを喩えた話として、こんな場面を想像してほしい。私自身が実際に、かつて体験した挿話にも基づいている。 あなたが精神的な不調を抱…
一、本覚思想とその評価 本覚思想とは「人は本から覚っている」という思想である。狭義的には「天台本覚法門」のことを指すが、広義にはそれと同様の内容・傾向を有する思想全般も「…
能登半島地震発生から1年がたった。昨年に現地での炊き出し活動に参加した際、我々の慣れない作業ぶりに、被災して自宅も親族も失った中年女性が助けの手を差し伸べてくれた。苦難の…
1995年の阪神・淡路大震災を契機に、災害情報を共有することの重要性が各方面で強く認識されるようになった。基礎自治体は災害の最前線で対応にあたっており、早期に状況を把握し…
「久しぶりだね。また会えたね」「1年ぶり?」といった声が浪江の請戸漁港そばの苕野神社に響いた。昨年も本欄で書いたが、東日本大震災で社殿が流出し、氏子も離散状態の神社の祭礼…
昨年末に刊行された髙山裕二『ロベスピエール』(新潮選書)を共同通信で書評する機会があった。評伝だが、ポピュリズム、権威主義、陰謀論など現代に通じる主題が明らかに意識されて…
私事だが、先日義母が亡くなり、妻の故郷で葬儀を行った。人が生まれる時、死ぬ時は選べないので、その現場に携わる人々は24時間体制で、まさに「一期一会」の活動をしてくださって…