PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 墨跡つき仏像カレンダー2025

自坊でマルシェや教室 絆深め寺の周知に精励

福井県坂井市 真宗大谷派唯称寺 山田理央若坊守

「『寺っていいな』という人が一人でも増えればと思う」と話す山田理央若坊守㊧と夫の慈昭氏 「『寺っていいな』という人が一人でも増えればと思う」と話す山田理央若坊守㊧と夫の慈昭氏

東尋坊にも程近い福井県坂井市にある真宗大谷派唯称寺(山田孝彦住職)は、地域との絆を深めるため「寺マルシェ」などのイベントを開いている。若坊守の山田理央氏は「寺院が厳しい時代を迎えるが『寺っていいな』という人が一人でも増えればと思っている」と話した。

寺マルシェは2016年、母親で坊守の顕子氏が中心となって始めた。年に1度、県内外の飲食店、ハンドメード作家らの店が駐車場に並び、ワークショップも行う。福井別院で開いたこともある。

今年から理央氏が引き継ぎ、9月29日に45店が集まる。同寺では育児の悩みを共有するためのサロン「のの・まーの」や寺ヨガ、昔ながらの書道教室も開いている。

理央氏は、当初は収益も出ない取り組みに疑問を感じていたが、長いスパンで寺院を守っていくためにはお寺を知ってもらい、気軽に足を運んでもらう場所にすることが大事だと分かった。

もともと人と関わるのが好きだったので、その性格を生かすことができている。「私は東京にある坂井市のアンテナショップで働いて店長まで務め、接客も好き。『私のファンになってくれたな』と分かると売り上げも上がるし、うれしい。様々な人が来るし、苦手な人もいるのも分かるのが自分の性格には合っていた」

イベント開催は都市部では珍しくないが、地方では「寺院はこうあるべきだ」という考えから抵抗感のある地域もある。

夫の慈昭氏(37)は「寺院としての格式の高さ、ハードルを下げるわけではなく、現代的なイベントと伝統を両立させられれば。長期的にはイベントだけでなく伝統的な儀式もきちんとやっていることまで知ってほしい」と話す。

滋賀県の寺院出身の慈昭氏は本山の准堂衆も務める儀式のエキスパート。「伝統に即した重みのある儀式を行っている自負はあるが、これまで接点のなかった方がいきなり深く関わるのは難しいので、そこに至るきっかけになれば。報恩講に『講』の字があるように、イベントの開催も人々の集まりを大切にしてきた真宗の在り方に沿っている」と考える。

理央氏は「寺に生まれたが、もともとは寺を継ぐつもりはなかったので、実質的に結婚して寺に入ったような状態。得度はしたものの、お勤めなどは夫に任せている」という。

慈昭氏は「お互い得意なところで寺を守っていきたい」と話した。

(武田智彦)

絵解きをする麻子夫人(方丈堂出版提供)

初代が始めた絵解き復活 女人の信仰の灯、次代へ

11月8日

愛知県稲沢市にある善光寺東海別院は、所在の地名から祖父江善光寺と親しまれている単立寺院。林和伸住職と麻子夫人は、同寺の開創を資金面で支えた「善光寺如来絵解き」布教を復活さ…

地域住民の世代間交流の場となっている門前市

門前市で世代間交流 檀家が誇り感じる寺に

11月1日

千葉県柏市の曹洞宗長全寺は檀信徒だけでなく広く地域社会に開かれた寺院だ。隔月開催の門前市では、境内に地元産の野菜や特産品などを販売する店が並び、子どもからお年寄りまで多く…

カラフルなメニューと来客が書き込んだ御朱印帳を手にする小野住職

カフェを仏教親しむ窓口に 皆が気軽に訪れる寺へ

10月18日

都立多磨霊園近くに「カフェテラス普賢寺」が開かれている。天台宗普賢寺(東京都府中市)の客殿を開放し、月、水、木、金曜の午前10時から午後5時まで開店。静かな時を過ごそうと…

古文・漢文の教育 文化的含蓄を学ぶ意義(11月15日付)

社説11月20日

災害ボランティアの課題 現地のコーディネートが要(11月13日付)

社説11月15日

バイオフィリア 核廃絶への宗教者の姿勢(11月8日付)

社説11月13日
このエントリーをはてなブックマークに追加