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特異点解消

〈コラム〉風鐸2024年12月4日 14時26分

世の中は意見の対立、争いが絶え間ない。日常生活ですらそうだが、国家間における戦争や紛争、人間のいる所に様々な衝突が生まれる◆先頃行われた大阪府佛教会佛教徒大会の講演で、数学者の中島さち子氏は数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞した広中平祐氏の「特異点解消」について触れ、「次元を上げることで問題を解決することができる」と解説した◆その名前を聞いただけで頭が痛くなるような代数幾何学の話だが、中島氏によると、平面では線と線が交わるが、立体にすることで交わりを解消できる。「どんなにごちゃごちゃしていても、ある程度次元を上げれば、全部がほどかれると広中さんは示した。最終的に全ての対立が解消されるような所があるはずだと研究を進めた」◆中島氏はさらにその解消された世界を涅槃という言葉を使って説明。我々は我執にとらわれ、低次元でしか物事を観察することができない。もし高次元で物事が観察できればと考えた時、般若心経の「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時(観自在菩薩が深い智慧を行じた時)」が思い浮かぶ◆これは菩薩の境地だが、人間の浅はかな視点を超えた悟りの世界を示すものに違いない。宗教は人間の次元を超えた視点を提示する。我々にはその次元(宗教)を信じて、身近な問題から取り組むことしかできないだろう。(赤坂史人)

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