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麦酒賛歌

〈コラム〉風鐸2024年7月17日 13時04分

風呂上がりのビールが何よりも心地よく感じられる季節を迎えた。まとわりつくような暑さや湿気を洗い流してさっぱりした直後、キンキンに冷やしておいた一杯をのどに流し込む。たまらない瞬間だ◆ビールは麦酒とも書き、主原料の麦芽をアルコール発酵させて作る。数千年前のオリエントの遺跡から醸造の痕跡が見つかっているほど古くからある。日本には江戸時代、オランダ人によって持ち込まれた。当時の人々には不評だったようだが、文明開化の掛け声と共に醸造所が設立され、日本人好みの味が模索されていく◆新1万円札の顔となった近代を代表する実業家・渋沢栄一も、草創期のビール産業の発展を支えた人物だ。本人は下戸だったようだが、現在まで続くビール会社の多くは渋沢が関わった会社にそのルーツを求めることができる◆最近は「糖質ゼロ」や「プリン体オフ」をうたうビールに食指が動くようになった。各社の製品開発への努力には頭が下がるばかり。しかし、健康志向の製品であっても飲み過ぎには注意が必要だ◆貝原益軒の『養生訓』に「酒は天の美禄なり」とある。続けて「又よく人を害する事、酒に過たる物なし。水火の人をたすけて、又よく人に災あるが如し」とも。実は入浴直後の飲酒もあまり健康には良くないらしい。一杯の麦酒から人間の悠久の営みを想像するのも悪くない。(佐藤慎太郎)

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