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壁がある意味

〈コラム〉風鐸2024年10月9日 13時24分

世界三大料理の一つに数えられるフランス料理は日本人にとってもなじみが深いが、その定義について統一的な見解はない。かつて仏国版ミシュランガイドでは外国籍の料理人が在籍する店には三ツ星を与えないという不文律があったという。フランス料理はフランス人が作るものという意識が根強かった◆現在は日本人シェフが三ツ星を獲得し、海外の食材も積極的に用いるなどフランス料理の定義は随分と柔軟なものになった。本場パリでも、みそやしょうゆなど日本の伝統的な食材を使う店が少なくない◆近年では「伝統的なフレンチの技法」も保存技術が発達した現代では必ずしもベターな調理法ではないという言説も出てきた。いわく、濃厚なソースや複雑な調理は素材本来の味を阻害すると◆一方、伝統的な技法や作法の中にこそ先人たちが受け継いできた文化の本質があるとして、現代的な視点でそれを簡単に排除することを危惧する声もある◆英国の政治思想家のエドマンド・バークは「ここに壁がある理由が十分に理解されないまま壁を壊してはならない」と主張した。濃厚なソースも複雑な調理法も、様々な制約がある中で、あらゆる素材を無駄にせず味わおうとした先人たちの知恵の集積だ。安易に改革、改革と叫ばれる時代。一度、立ち止まってその壁が作られた意味や背後にある思想に目を向けるよう意識したい。

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