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カフェを仏教親しむ窓口に 皆が気軽に訪れる寺へ

東京都府中市 天台宗普賢寺

カラフルなメニューと来客が書き込んだ御朱印帳を手にする小野住職 カラフルなメニューと来客が書き込んだ御朱印帳を手にする小野住職

都立多磨霊園近くに「カフェテラス普賢寺」が開かれている。天台宗普賢寺(東京都府中市)の客殿を開放し、月、水、木、金曜の午前10時から午後5時まで開店。静かな時を過ごそうと訪れる人が多く、仏教に触れるための敷居の低い入り口になっている。

普賢寺は西武多摩川線・多磨駅から徒歩10分弱。石材店が並ぶ静かな町に、こぢんまりと寺カフェの看板が立つ。山門を抜け正面の本堂の脇の客殿がカフェだ。

椅子席と座布団席があり、テーブルには呼び出しボタンではなく引磬が置かれている。メニューは不動(梵字)ラテ、台湾茶、チャイ、アップルパイなど多彩で、小野常寛住職の知人や近隣店舗の協力で提供している。

棚にある御朱印帳は、客が好きな言葉を書いて寺印を押すシステム。ゲストノートには書き込み一つ一つにスタッフのコメントが書き添えてあり交換日記のようだ。

オープンしたのは2023年6月。仏教界と社会をつなげたいとの思いからだった。「お寺は生きとし生けるものが幸せであるようにと願える場。檀家だけのものでなく、いつでも誰でもふらっと入れる所であるはず。常時オープンしているカフェがあれば山門をくぐりやすくなる」と小野住職は考えた。

開店から1年余。平均して1日に10人くらいが来店する。毎月実施してきた護摩や写経会にも初めて参加する人が増えた。「お寺に行きたいけどきっかけがなかった」「小さなお寺のアットホームな行事に参加したかった」などの声が聞かれる。「カフェを開くような住職さんだから、きっと話しやすいはず」と遠方から来る人もいる。

檀家でない人と接することで僧侶の研鑽にもなるという。「貧困や精神的に苦しむ人から相談の連絡がくるようになった。学んできた仏教が目の前の人の助けとなるにはどう伝えればいいか、僧侶の力量が試される」

開店に当たり必要だったのはテーブルや本棚、厨房の手直し程度。平日は法事が入ることも少なく、客殿をカフェにしても法務に支障が出ることはほとんどない。「あくまでも一つの布教手段。寺カフェが千カ寺くらいで開かれれば、日本の寺院のイメージも変わるのではないか。それぞれの宗派や地域の特色を生かした入り口がたくさんできて、仏教に親しむ人が増えていけば」と願っている。

(有吉英治)

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