モノマネ通して仏教の魅力発信 みほとけさん(29)
広目天や阿修羅などの仏像になりきる「仏ものまね」や「ネタ」を武器に、テレビ番組や動画コンテンツ、SNSなどでマルチに活躍する。自身も「仏教を学ぶ側、仏像を拝む側」でありながら、それらの魅力を様々な人に伝えていくことの楽しさは「『仲間が増えた!』と感じる瞬間」にあると語る。
伊瀬若葉
仏教や仏像に興味を持ったきっかけは。
みほとけ 地元の鎌倉にはお寺が多く、母が観光案内所の仕事をしていたのでお客さんに案内するお寺を一緒に巡ることもあり、子どもの頃からなじみがありました。
高校生になり、修学旅行で見た京都・六波羅蜜寺の空也上人像のかっこよさやこちらに語り掛けてくるものに感銘を受け、そこから仏像にハマりました。それまではただ「ビジュアルが面白いな」という印象だったんですが、仏像の放つオーラや細部までこだわりが詰まっているところに感動したんです。
大学時代にはミス鎌倉としての活動の一環で、建長寺での大般若転読会に間近で参列する機会があったのですが、「こんなにもにぎやかで迫力があって、明るい法要があるんだ」と笑顔が止まらなくなって(笑い)。その時に建長寺の地蔵菩薩様も拝観し「仏像も法要もすごい、何だこの世界は⁉」と驚いて、仏教って面白いなと感じるようになりました。
そこからなぜ「ものまね」に?
みほとけ 拝観にたくさん通うようになったのはアイドルをしていた二十一、二歳の頃ですが、当時は何か自分の好きなものを追求していかなければという思いがあって。ものまねを始めたのも仏像が大好きだったというのが一番ですが、自分が見て面白い、かっこいい、かわいいと感じたことを自分なりに表現したらどうなるのかなと試してみた結果ですね。
ものまねはご自身で考えているんですか。
みほとけ 基本的には全部一人で考えています。やってみたい仏様が決まったら、家にある材料を使ってとにかく作ってみるんです。
ものまねに使えそうな素材やメイク道具は常に集めているので、割と何にでも「あの仏像の衣の部分に使えそうだな」とか考えてしまいます。
阿弥陀如来ならカーテン、天部は装飾が多いので段ボールやハンガー、造花。タマネギだったら如意宝珠だしニンジンなら独鈷杵、ゴボウなら……錫杖ですかね(笑い)。
ものまねに対する仏教界の反応は。
みほとけ まずは皆さん驚かれますね。ただ、頂くご意見からは私が本当に仏像が好きということがものまねを通…
つづきは2024年4月10日号をご覧ください