PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
2025宗教文化講座
PR
2025宗教文化講座

日本人初の8000㍍峰14座に登頂した登山家 竹内洋岳さん(52)

ほっとインタビュー2023年10月24日 09時58分
日本人初の8000㍍峰14座に登頂した登山家 竹内洋岳さん たけうち・ひろたかさん=1971年、東京都生まれ。立正大で山岳部に在籍し、20歳でヒマラヤ8千㍍峰登山を経験。シェルパや酸素ボンベを使わない速攻登山が特徴。2006年に「プロ登山家」宣言。12年にダウラギリ登頂に成功し、世界で29番目、日本人初の14座完全登頂を達成した。立正大客員教授。

8千㍍峰14座登頂を成し遂げた唯一の日本人。子どもの頃から宗教に関心を持ち、山を神と崇めるチベットや日本の信仰を尊重する。立正大仏教学部生時代から海外登山に挑み続け、命を落としそうになったことも。山頂は生命感のない極限の世界であり、人と自然の結び付きの中に神仏があると話す。

有吉英治

エベレストなど標高8千㍍以上の14の山、全てに登り切った時の気持ちは。

竹内 次どこ行こうかなと思いました(笑い)。登頂した瞬間は早く帰りたいという思いが8割を占め、1㍍でも標高を下げたいということだけですね。頂上は空気が一番薄く登山中最も危険な場所ですから。そこにのんびりしたいってことは絶対ないんです。もう何を考えるでもない。戻れるかどうか、それ以外は考えていられないですね。

山で神秘的なものを感じることはありますか。

竹内 8千㍍峰14座の「座」は神が座すという意味なんです。こう表現するのは日本人だけで、英語では単にピーク。日本人には山を神とあがめる習慣というか、遺伝子に組み込まれたものがあるように思うんです。山の頂上は人が入らない神様の領域という概念が昔からずっとあるわけですよね。

日本の北アルプスの山のいくつかは明治維新以降にイギリス人が初登頂したんです。それまでの日本人は山の頂上に行くっていう発想がなかった。登れるのは修験者のような特別な能力を持つ人だけ。人知を超えた神から授けられた能力だと思われていたわけですね。

チベットでも山自体が神様なんです。だから登る前にプジャという安全祈願のお祭りをするんです。ベースキャンプにチベット仏教のラマを呼んで、山に登る許しを請うんです。ほかの国にそんな考えはなくて、特にヨーロッパでは山は悪魔のすみかで、悪魔を成敗しに山に登るってことになり、だから頂上に立つことが「征服」なわけです。

実際に神や仏が感じられる体験をしたことは。

竹内 残念ながらありません。でも山のある地域の人々の生活にはそれを感じます。というのは、やっぱり神様や仏様の存在というのは、自然の中で生きる人々の心と共にあるわけですよね。山の頂上には人がいないので、そこに神はない。山を取り巻く人々の生活と思いがあるからこそ、山と一体化して神が存在するんだと思うんです。

登山中に苦しくて、神頼みをすることはありますか。

竹内 ないんです。とにかく自分の力で行くしかない。これは実際そこ…

つづきは2023年10月11日号をご覧ください

石という素材と向き合い続ける石工・彫刻家 齋木三男氏

石という素材と向き合い続ける石工・彫刻家 齋木三男氏

3月25日

群馬県中之条町の石材店を兄の齋木利一代表、おいの一男氏と共に営む傍ら、石彫家として国内外で個展を開くなど、芸術家としても活躍の場を広げている。石の温かみを感じさせる石仏は…

皆が食べられる世界目指すFAOの駐日事務所長 日比絵里子さん

皆が食べられる世界目指すFAOの駐日事務所長 日比絵里子さん

2月25日

「魚を与えるのではなく、釣り方を教える」――。人道支援で食べ物を直接支援することも重要だが、今後食べ物を作っていける状況を支援することもまた重要。国連食糧農業機関(FAO…

引きこもり時に多数の哲学書と出合い、執筆を続ける しんめいPさん

引きこもり時に多数の哲学書と出合い、執筆を続ける しんめいPさん

1月23日

人生のピークは東京大に合格した18歳の時だったと著書の中で振り返る、しんめいPさん。卒業後の14年間で職と家と妻を失い、あり余る時間と虚無感を埋めるように読んだ多くの書籍…

地裁で解散命令 旧統一教会問題深層解明を(3月28日付)

社説4月2日

災害地支援の温度差 「身になる」ことの重要性(3月26日付)

社説3月28日

米作りの祭事 日本の原点を考える(3月21日付)

社説3月26日
このエントリーをはてなブックマークに追加