広報に尽力、活動伝える
禅文化研究所 横田南嶺所長(58)
禅文化研究所(京都市中京区、花園大内)の新所長として7月に就任した。同研究所の存在や活動を伝える広報活動に力を入れたいと意気込む。
同研究所は1964年、初代所長の山田無文・臨済宗妙心寺派管長、理事長の村上慈海・同宗相国寺派金閣寺長老を中心に設立された。禅関係の図書収集、書籍、雑誌の刊行、講演会の実施のほか、日本仏教と欧州のキリスト教の交流事業「東西霊性交流」を行ってきた。来年に設立60周年を迎える。
「山田無文老師や平田精耕老師ら歴代所長と比べれば浅学非才な身で恐縮するばかりだが、同研究所の存在意義を高めるために邁進していきたい」と話す。
課題として近年十分に開催できていなかった一般向けの講演会がある。「60周年の記念事業の一つとして講演会を行い、それを機に継続的に講演会を開いて研究所の活動を広報していきたい」と語り、多くの人が集まる東京での開催の重要性を強調する。
事業の大きな柱として出版がある。『元亨釈書』『五灯会元』など漢文の和装本しかなかった様々な高僧の典籍を訓読・解説した専門書を多数刊行し、禅籍を学ぶ僧侶・研究者がその恩恵を受けてきた。専門的な書籍の出版を継続しつつ、さらに幅を広げ一般向けにも力を入れていきたいという。
研究所は花園大のキャンパス内に事務所を置き、大学と協力し合って活動してきた。12月から4期目を迎える花園大総長として「大学との連携をさらに深め、大学運営にも貢献できる存在でありたい」と話す。
(甲田貴之)