大阪万博活性化へ尽力
全日本仏教青年会 新井順證理事長(50)
6月に全日本仏教青年会(全日仏青)理事長となった。在家出身、50代での就任は初めてだ。
京都精華大(京都市左京区)のマンガ専攻に進学し、卒業後は東京のテレビゲーム制作会社でゲームソフトの開発をしていた。しかし会社が倒産。困り果てたところ、和宗総本山四天王寺(大阪市天王寺区)の出口順得・第110世管長(2016年死去)から「お坊さんになれば漫画を描く時間がいくらでもある」と誘われた。同寺支院東光院に入り、大学時代に演劇を通じて知り合った旧知の次女と結婚した。得度後、天台宗の比叡山行院(大津市)で修行して僧侶となった。
多忙で漫画を描く暇はなかったが、合間を縫って仏画は描き続ける。刑務所で教誨師、篤志面接委員を務め、絵画クラブも担当する。「(受刑者が)自分の秘めた才能に気付くきっかけとして、外に出てからも役立ててほしい」と願う。
四天王寺では法務部長を経て総務部長の要職にある。「やってしまった失敗よりもやらなかった後悔の方が後を引く」との信念から、仏青理事長の職も「何とかやってみよう」との決意で引き受けた。「10人しかいない(和宗)仏青から理事長が出て2年の任期を全うすれば、人数の少ない他宗派の仏青でも理事長を務められると思ってもらえる」と強調する。
25年に控える大阪・関西万博に対しては「仏青の人的資源を活用して盛り上げたい。青年僧だからこそ少々の失敗をしても若気の至りと見られて、それをバネにできる利点もある。次の世代に引き継ぐためにしっかりと努力していきたい」と訴える。
(須藤久貴)