野菜、豆、発酵食品がたっぷりとれる 毎日食べたいいまどき精進ごはん…青江覚峰著
「料理僧」の著者による作りやすい精進料理のレシピ集。肉や魚、乳製品を使っていないので、ベジタリアンやハラル、アレルギーの人も日々の食事に取り入れやすい。無理なくおいしく作れ、仏教の知識も身に付く。
毎日家族の食事を作っている著者は、おいしくてボリュームのある簡単メニューを考案してきたという。定番のきんぴらごぼうから、ガレット、バーニャカウダなど洋風のものまで幅広く、主菜、副菜、おやつが紹介される。「精進ハンバーグ」は、大豆ミート、カシューナッツ、アーモンドをゆでてフードプロセッサーにかける。肉を使わなくても食べ応えがあり、青ジソと大根おろしがよく合う。「報恩講の炊き合わせ」は、流罪になった親鸞聖人の旅姿から、シイタケを笠、ゴボウを杖、厚揚げをわらじに見立てている。
ネギやニラなど野菜にも使えないもののある精進料理は、世界の食の中でも禁忌とする食材が多く、ほとんどの人が食べられると著者は記す。「いわば『食のユニバーサルデザイン』。異なる宗教、文化、思想、ライフスタイルを持つ人々が同じテーブルにつき、文字どおり『同じ釜の飯を食う』仲間となれる」と説く。精進料理の歴史などの読み物のほか、だしの取り方、食材、調味料、調理道具の解説も役立つ。
定価1980円、オレンジページ(電話0120・580799)刊。