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第20回「涙骨賞」受賞論文 奨励賞

無心と憐れみの霊性に基づくケアと連帯

――宗教知の協働に向けた聖書・教父思想の再解釈

山根息吹氏

  1. 岡野八代『フェミニズムの政治学』、みすず書房、2012年、88頁。
  2. M. J. J. Menken, “The Position of ΣΠΛΑΓΧΝΙΖΕΣΘΑΙ and ΣΠΛΑΓΧΝΑ in the Gospel of Luke.” Novum Testamentum, XXX, 2, 1988.
  3. 本論における聖書引用は、基本的には『聖書 新共同訳』(日本聖書協会編)に依拠したが、Novum Testamentum Graece. Nestle-Aland 28th Edition. Deutsche Bibelgesellschaft. の原文に基づき、一部変更を加えた。
  4. Robert H. Stein, Mark. Baker Academic, 2008, p. 105.
  5. Ibid., p. 106.
  6. Joel B. Green, The Gospel of Luke. Eerdmans, 1997, p. 517.
  7. 宮本久雄が、「西田幾多郎が『善の研究』で言う「純粋経験」は、主―客身分の直接経験として、中動態的と言えよう」と指摘している点は、このようなスプランクニゾマイの中動態性を理解する上で注目に値する。(『言語と証人』、104頁。)
  8. Green, op. cit., p. 583.
  9. Ibid., p. 431.
  10. 宮本、『言語と証人』、92頁。
  11. C. K. Barrett, The Gospel According to John: An Introduction with Commentary and Notes on the Greek Text. S.P.C.K, 1962, p. 397.
  12. 西田幾多郎「絶対矛盾的自己同一」、『西田幾多郎哲学論集III』、上田閑照編、岩波書店、2016年、79頁。
  13. 小野寺功は、「主体も客体も共に包んで、あらゆるものの根底にあって一つの感応・共響体として成りたたせる働き」である聖霊を、「知情意と独立した対象論的思考」で理解することはできず、鈴木大拙の「霊性」・西田幾多郎の「場所」の論理を通して人間存在の根底において聖霊を捉えていくことの重要性を強調している(『大地の哲学―場所的論理とキリスト教』、三一書房、1983年、98頁)。
  14. Joachim Jeremias, The Prayers of Jesus. SCM Press, 1967, pp. 11-65.
  15. James D.G. Dunn, The Epistle to the Galatians. A & C Black, 1993, p. 292.
  16. Ibid., p. 300.
  17. Peter Brown, Poverty and Leadership in the Later Roman Empire. UP of New England, 2002, p. 1.
  18. Ibid., p. 3.
  19. Ibid., pp. 4-5.
  20. Ibid., p. 5.
  21. Andrew T. Crislip. From Monastery to Hospital: Christian Monasticism and the Transformation of Health Care in Late Antiquity. U of Michigan P, 2005, p.120.
  22. 土井健司『救貧看護とフィランスロピア』、創文社、2016年、98頁。
  23. Regulae fusius tractatae, PG (= Patrologiae Cursus Completus. Series Graeca.) 31, 929, 48-50.
  24. Regulae fusius tractatae, PG 31, 1025, 9-10.
  25. Anthony Meredith, The Cappadocians. St. Vladimir’s Seminary Press, 1995, p. 27.
  26. 土井、『救貧看護とフィランスロピア』、175頁。
  27. Enneades, 6, 9, 11, 51.(Plotini Opera. Tomus 3. Ed. Paul Henry et Hans-Rudolf Schwyzer, Oxford Classical Texts, 1982. )
  28. De beatitudinibus, GNO VII/2, 144, 2-4.
  29. De beatitudinibus, GNO VII/2, 124, 24-26.
  30. De beatitudinibus, GNO VII/2, 126, 18-21.
  31. 坂井祐円「傷ついた癒し手としての法蔵菩薩」、『ケアの根源を求めて』西平直・中川吉晴編、晃洋書房、2017年、80-4頁。
  32. 『宮沢賢治全集7』、ちくま文庫、1992年、554頁。
  33. 宮本、『パウロの神秘論』、457頁。
  34. 『宮沢賢治全集9』、筑摩書房(ちくま文庫)、1995年、348頁。
  35. 山根知子『賢治の前を歩んだ妹 宮沢トシの勇進』、春風社、2023年。山根知子「宮沢賢治と賀川豊彦における「宇宙意志」―信仰・思想・実践の共振」、『ノートルダム清心女子大学キリスト教文化研究所年報』、第43号、2022年、1-36頁。
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