シルクロード研究論集第2巻 仏教東漸の道 西域・中国・極東篇…東洋哲学研究所編
2023年3月に刊行された『シルクロード研究論集第1巻 仏教東漸の道 インド・中央アジア篇』に続く第2巻。
東洋の精神遺産である仏教がいにしえの人々によっていかに伝承、受容されてきたのかを歴史学、文献学、美術史、仏教学、建築学、考古学の見地から各地の宗教事情や諸民族の文化的背景を踏まえて考察した論文集で、第1巻ではインドと中央アジアを対象としたが、今回はさらに西域から中国、極東、日本までのエリアが対象となっている。
西域篇では「法華経の旅――コータンから敦煌へ」(ロケッシュ・チャンドラ氏)、「西域における仏典伝播への紙の貢献」(榮新江氏)など四つの論文と、コラム「仏教東漸の中継地、新疆に立つ」(山田勝久氏)を収録。続く中国篇では「莫高窟第249窟の天井壁画におけるペルシャ風要素に関する研究」(張元林氏)、「蜀漢・費禕・姜維政権における北伐戦略と非漢族について」(満田剛氏)など五つの論文。極東篇では「噓をついたらなぜ閻魔様に舌を抜かれるのか?――シルクロードと閻魔大王の東漸」(田辺勝美氏)、「正倉院宝物の故郷――『東大寺献物帳』の分析から」(米田雄介氏)など六つの論文が収録されている。「シルクロード遺跡地図」付き。
定価4500円、東洋哲学研究所(電話042・691・6591)刊。