PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 2024宗教文化講座

はじまりの神道神学、希望への道標…小堀邦夫著

2024年9月5日 09時06分
はじまりの神道神学、希望への道標

昨年9月に帰幽した元神宮禰宜・元靖国神社宮司の遺著。青年時代の原初体験になった故郷和歌山での公害問題を踏まえ、文明社会での神道的な生き方の手掛かりを探求する。

前半は上代日本語の分析から祭祀の意味を考察。後半では思想家や科学者の議論に導かれながら環境問題などを考える。前後の違いに戸惑うが通底するのはエネルギー問題だ。

日本語にするとエネルギーは「チカラ」。その語源はカグツチやイカヅチなどの「チ」に、国柄などの「カラ」が付いて「霊の本質」を意味するという。「税」をチカラと訓じるように稲の徴収で蓄積された資産・資源は血液のように国土を巡り社会を動かすエネルギーとなるがその循環の健全さが問題だ。それは経済問題であり資源の問題でもある。

文芸評論家の保田與重郎氏の論を踏まえて「ことよさしのままに」生きる暮らしを提案する。祝詞に頻出する「ことよさす」の語は「(神々が)委任する」と訳されるが、祝詞での用法を検討すると、単なる委任ではなく、神の助けの意味もあるとする。神が助けるということは、神も共に労働にいそしんでいるということであり、天照大神が田を耕し、祭りを行う存在でもあることと重なる。祀る側と祀られる側を区別しない「神ながらの道」を模索する。

定価2420円、和器出版(電話03・5213・4766)刊。

法然論集 中 教行論考篇 法然仏教成立論・私考

法然論集 中 教行論考篇 法然仏教成立論・私考…藤本淨彦著

9月13日

浄土宗の大本山の一つ、金戒光明寺の法主による法然上人研究。講話や講義、論文を整理・改稿し、緒言と結語を付した。 本書で目を引くのは「法然仏教と現代」という論稿。「煩悩凡夫…

日本仏教を変えた親鸞の独自性 『教行信証』と『選択集』の比較から見えてきた、念仏の真価

日本仏教を変えた親鸞の独自性 『教行信証』と『選択集』の比較から見えてきた、念仏の真価…根津茂著

9月12日

一般企業に勤めた後、真宗大谷派の僧侶となった著者が、親鸞の『教行信証』から学んだ教えを法然の『選択本願念仏集』と照らし合わせながらまとめた。著者は両書を同時に学ぶことによ…

岸和田だんじり図典 祭を支える心と技

岸和田だんじり図典 祭を支える心と技…森田玲編著、平田雅路写真、だんじり彫刻研究会監修

9月11日

2022年に新調した土生滝町(大阪府岸和田市)のだんじりを事例として、その建築と彫刻の美を数百点のカラー写真や詳細な用語解説と共に余すところなく紹介する。祭礼研究、民俗学…

ネット時代の課題 迫られる社会規範の再構築(9月11日付)

社説9月13日

排すべき思い込み 毒物カレー事件映画で(9月6日付)

社説9月11日

殺生に寛容?な民主主義 問われる欧米の二重基準(9月4日付)

社説9月6日
このエントリーをはてなブックマークに追加