仏さまに愛され、幸せに生きる35の習慣…松永慈弘著
長年檀信徒の相談に応じてきた著者が、苦悩を乗り越えた人たちの実例をもとに、幸せになるための生き方を「35の習慣」としてまとめた。どの項目も難しいことではないが、継続には努力が必要で、手元に置いて折に触れては開いてみたくなる一冊だ。
基本の16項目は「『ありがとう』を言ってもらえるようにする」「ちょっとチャレンジしてみる」「逆境は練習問題と考える」など。どれも少し心の持ち方を変えればできることで、実践するうちに仏様に愛されるようになると説く。応用の19項目は「一隅を照らす」「自分が発する言葉は自分に返ってくる」「いつも脳を『快』にしておく」など、身口意の三業に分けて説明される。
実例も興味深い。何日も首が曲がったままで痛いと相談に来た男性は、60年間恨み続けてきた人に「落とし前を付けに行く」と息巻いた。安易に止められるものではないと思いながらも著者は、釈迦が「忘れなさい」と教えたと伝えると、男性は「できるわけない」と驚いたが、次の瞬間、首が戻ったという。
奇跡的な出来事がいくつも紹介されているが「祈祷を受けたから供養したからといっても、むさぼり怒鳴り散らしていては幸せになれない。仏様に気に入られるような生き方へと改善していくとよいのです」と勧める。
定価1870円、セルバ出版(電話03・5812・1178)刊。