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超越のささやき 「こころ」を取り戻すための宗教六講…八木誠一著

2024年8月7日 09時38分
超越のささやき 「こころ」を取り戻すための宗教六講

神学者、宗教哲学者として長年仏教、特に禅思想との対話に取り組んできた著者の現在の境地を示す。「メタノイア」「コードフリー」「レーマフリー」などいくつかのキーワードを軸に思考が展開される。

メタノイアは聖書で「悔い改め」と訳されるが、ギリシャ語で「心を変える、回心」という意味。著者はパウロの「文字は殺し、霊は生かす」と、禅の「不立文字」を参照し、「文字による拘束からの自由」と解釈し、自覚を妨げる要因の除去という「超越」への手掛かりを示す。

「レーマ」もギリシャ語で「ロゴス」と同じく「ことば」を意味するが、著者は日常世界のことば、「社会的通念」として論じる。例えば「愛国心」のように、個人的集団的エゴイズムと結び付きがちである、とされる。「レーマ」から自由になり、コードバウンド(≓律法主義)を超えてメタノイアへと至る道。それは著者の半生の歩みと重なる。本書ではいくつかのエピソードによる自伝的回顧がそれを示している。

「省察と瞑想の会」というグループのため、昨年1月から7月にかけて行われたオンライン講座の記録。「超越のささやき」と控えめに表現されている今の著者の境地が、澄み切った泉のように平明に語られる。

定価1760円、法藏館(電話075・343・0458)刊。

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