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『仏教・真宗と直葬 ―葬送の歴史と今後―』北塔光昇著・自照社出版刊

仏教・真宗と直葬 ―葬送の歴史と今後―

浄土真宗本願寺派勧学である著者が仏教における葬送儀礼について、釈尊以来の歴史をたどり、真宗における葬儀の方向性を探った。日本人の宗教意識や道徳観の変容に伴い、直葬などの簡略化された葬儀が増加傾向にある中、仏教伝道における葬儀儀礼の重要性を訴える。

釈尊および初期教団の葬送儀礼では日本仏教の葬送儀礼の原型がほぼそろっているという。釈尊の葬送は当時のインド一般の慣習によって、最高級の儀礼によって執り行われたと伝えられている。また釈尊在世時から僧侶による葬送への関わりが見られ、布教伝道の一環として取り組まれていたと指摘する。

葬送儀礼の性質が大きく変容を遂げたのは中国仏教からと推測する。中国仏教では追善回向が教説として発展し、儒教と道教の影響を受けながら、独自の仏教的葬送儀礼と中蔭儀礼が確立。日本仏教もこの流れを受けて、葬送・追善儀礼の執行が僧侶の日常活動で大きなウエートを占めることとなった。

本書では追善思想を中心に葬送儀礼を読み解く。その上で親鸞聖人、蓮如上人の臨終・葬送を中心に振り返り、浄土真宗における葬送儀礼の役割を明確にしていく。

定価1050円、自照社出版(電話075・251・6401)刊。