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1、寺での葬儀 何とかしてくれる安心感

臨済宗妙心寺派永正寺住職水谷大定

2016.10.07~2016.10.28

  • 1、寺での葬儀 何とかしてくれる安心感
  • 3、趣味が仕事に 庭造り、集合墓契約後押し
  • 2、虚業コンプレックス 遺族のための改善で払拭
  • 4、21世紀型の本堂 舞台機能備え演出多彩に

ケアマネさんから「年金が老人ホームの利用料に足りなくて、貯金が無くなった人が亡くなりそう。喪主は派遣社員で余裕がない」と葬儀事前相談があった。いよいよ長寿リスクの現実化です。「亡くなったら永正寺に転がり込めば何とかしてくれる」という安心感があるよう。期待に応えて遺族の予想以上の心を込めた風格の葬儀、永正寺の得意技です。

本堂西の24畳の位牌堂兼弘法堂は薄緑の絨毯敷きで空調完備、前卓、曲録で全椅子席になっています。白のロールスクリーンとカーテンで位牌を隠し、観音像の両脇に花を立て、棺を置き、籠の生花一対にLEDスポットライトをあて、花を立体的に見せれば白一色の荘厳な式場に早変わり。緑に囲まれ、天蓋のある木造のお堂は斎場ビル内の家族葬式場とは全く違う癒やしの空間です。

納棺と諸手続は専属の葬儀業者が担当します。一人導師で20年前開発の鼓鉢台「無伴僧」を使い、導師一人でもチン、ポン、ジャラン、と鳴らせば、禅宗独特の葬儀です。ボイストレーニングで鍛えた声で読経します。引導は腹筋を使っての大音声、この世への執着を断ち切る迫力です。

棺を霊柩車に運ぶ間、鐘楼の大鐘を鳴らし「想いの滝」の水音をBGMに火葬場に向かいます。

骨上げをし、初七日法要後、玄関応接間立礼席で抹茶を呈して精進落としの食事に替えます。葬儀の布施は事情を汲んで払える範囲内です。これが特別扱いという意識はありません。仏教の本質、慈悲を標榜している寺の建前の実質化です。寺の存在価値はここにあります。

少子超高齢化で家族葬、小規模葬8割の時代に、工夫をすれば業者斎場よりもはるかに安くても荘厳な寺葬儀が可能です。長年檀信徒が護持してきた寺を葬儀に使う意義があります。運営を葬儀業者に丸投げしないで、遺族のための費用節約型葬儀を寺主導で行えば遺族は寺を頼りにするし信頼も得られます。今年檀家以外の新規葬儀依頼が5割を超えています。顧客満足度の高い永正寺葬儀の評判が広まっています。飛躍的発展の道が開きそうです。