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メリット大きいが手続き煩雑の声 「指定寄付金」は制度周知がカギ(1/5ページ)

2016年9月28日付 中外日報(深層ワイド)



熊本地震で被災した宗教施設への寄付に対して、税制上優遇される「指定寄付金」制度が適用されることになった。東日本大震災の復興に利用した法人は16施設と、申請件数が少ないが、全国から寄付が集まった例もある。制度が複雑で十分に理解されていない面もあり、包括法人等がいかに制度を周知させるかが鍵になる。(赤坂史人、丹治隆宏、青山智耶)

「指定寄付金」は、公益法人が広く一般に募集するもので、公益性及び緊急性が高いものとして財務大臣が指定した寄付金。通常、対象は国宝や重文の修復などに限られている。寄付者が個人の場合は所得税の控除、法人の場合は寄付の全額を損金に算入でき、寄付が集めやすくなる。

東日本大震災で被災した福島県内の宗教施設で申請したのは大國魂神社だけだ。いわき市の指定文化財になっている本殿が全壊指定を受け、その解体修復のために利用。市の文化財助成金を除いた約4千万円を募集、約2年半で目標額に達した。

山名隆史禰宜(49)は「財務大臣が認めた復興事業ということで、公益性を示すことができ、多くの人に理解を頂いた」と話す。インターネットで公示し、福岡や大阪などの企業からも寄付が集まった。

ただ、申請書を提出するまでに所轄庁の指導を何度も受け、その後の慣れない会計処理にも手を焼いたという。現在も事業終了報告書や2015年度の報告書等の作成に追われている。

山名禰宜は「最初から最後まで手間が大変。神社本庁や県の神社庁が職員、専門家などを派遣し、被災した神職の事務手続きを代行してほしい。そうすれば全然スピードが違う。熊本地震でもそうだと思うが、震災後の後片付けなどに追われるときに、煩わしい手続きを行うのは本当に厳しい」と語る。