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時間かけ寺社の魅力体感 一般の人に注目され始めた“寺泊”(3/4ページ)

2016年9月14日付 中外日報(深層ワイド)

若者が成長できるテラハウス

東京の全昌院お寺で僧侶とシェア生活

台所や浴室を共有し個室をプライベート空間とする、若者に人気の「シェアハウス」。上智大経済学部1年の小尾拓馬さん(19)は、若い人たちに寺に関心を持ってほしいと、寺院でのシェアハウスを計画している。「普通なら一生関われないかもしれない場所に住むことで新たな経験をし、住職さんとお話しする中で考え方に変化が生じ成長できるのではないか」

小尾さんは、幼稚園時代の友達に寺の子がいたことから、ずっと寺が身近な存在だった。しかし高校生になる頃、多くの人が寺に近づきにくいイメージを持っていることを知った。さらにその友達から、檀信徒の高齢化や直葬の増加など寺院をとりまく厳しい状況を聞き、「自分にもお寺をもっと身近に感じてもらうために何かできないか」と考えていたところ、テレビで男女数人が共同生活する番組「テラスハウス」を見て、寺で共同生活をする「テラハウス」を思い付いた。

旧知の真言宗醍醐派十輪院(奈良市)の橋本純信住職に相談したところ、「若い人が寺に関心を持ってくれるのはうれしい限り」と喜び、「もっと住職が関われる生活に」と助言。

今年4月に華厳宗大本山東大寺(奈良市)で開かれた花まつり千僧法要で、青年僧を前にプレゼンする機会をつくってくれた。何人もの僧侶から「良い企画だね」と言われた小尾さんは、実現できると感じたという。

その後、場所を提供してくれる寺院を求めて、毎日約20カ寺に企画内容をメールで送り続けた。反応があった寺に足を運んでは思いを伝えていたところ、東京都豊島区の曹洞宗全昌院が「寺に若者が住むという構想に賛同」し協力を申し出た。

「全昌院の住職は気さくなおじさんという感じで、一緒に暮らしたら面白いと思った」。同寺でどのような「テラハウス」が実現できるか、具体的企画を練っている。

小尾さんの寺院に対する期待は高い。「お寺は死に関する場と思われがちだが、本来は生きている人が成長したりする空間のはず」。若者と僧侶が寝食を共にし、勤行や法話が生活の一部となることが理想だと強調する。