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依頼主と納得し合える仕組みを 僧侶派遣じわりじわり浸透(3/5ページ)

2016年8月10日付 中外日報(深層ワイド)

依頼急増、4000件超も 寺院からも問い合わせ <お坊さんjp>

プロの事務所には、全国から僧侶派遣を求める電話がかかってくる

JR名古屋駅近くのビル内の事務所。「お坊さんjpでございます」。電話応対する声が室内に響く。24時間対応可能な態勢を整え、フリーダイヤルで全国から寄せられる依頼に応える。

名古屋市中村区の株式会社プロが運営する「お坊さんjp」は、昨年約3500件の葬儀や法要を受け付けた。今年は4千件を超える勢いで依頼が増加している。

2009年3月に事業を始めた時には、登録している僧侶は3人だけだった。依頼があった地域に、求められた宗派の僧侶がいないため、その宗派の本山に紹介してほしいと電話したこともあった。現在は、約500カ寺と提携する。「お坊さん便」が報道で度々取り上げられ、登録したいという僧侶も増えているという。

代表取締役の古田治氏(59)が事業を始めたのは、静岡県で亡くなった父親の葬儀で、菩提寺が分からず苦労した末に派遣会社を利用したことがきっかけだった。

「私だけでなく、他の人も困っているに違いない」と、僧侶派遣を手掛ける企業がなかった中部地方で、事業を始めることにした。

同社では保険会社向けのソフトウエア開発をしていたが2年前にやめ、僧侶派遣や「送骨」できる永代供養墓の紹介などに事業を特化するようになった。

依頼は市民からだけではない。役僧を探している寺院からの問い合わせも。古田氏は「お盆とか忙しい時期に、『うちのお寺の名前で行っていただける方をお願いします』と頼まれることもある」と言う。

仏教界からは、布施の定額表示など僧侶派遣に批判が寄せられているが、古田氏は「確かに、ごもっともな部分もある。だが、どこに頼んでいいのか分からない、飛び込みでお寺に行く勇気もないという方も多い」と語る。