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赤ちゃんポストを関西に 「いのち守る」取り組み広がる(1/6ページ)

2016年7月27日付 中外日報(深層ワイド)

親が育てられない子供を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」を熊本市西区の慈恵病院が国内で初めて開設して今年で10年目。同様の施設を関西に造る動きが進んでいる。3月に「こうのとりのゆりかごin関西」実行委員会が発足し、委員に医療関係者や宗教者ら19人が名を連ねた。授かった「小さないのち」を守る取り組みは理解と共感の輪を各界に広げている。(飯川道弘)

開設へ医師・宗教者ら実行委

熊本・慈恵病院の赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」

関西に「第2のゆりかご」を設置する活動は、実行委員会代表の人見滋樹・京都大名誉教授(日本カトリック医師会会長)が中心になって進めている。

人見代表は8年前に香港で開かれた第14回アジアカトリック医師会の総会で、こうのとりのゆりかごを造った蓮田太二・慈恵病院理事長の講演に共感。「ゆりかごは全国に必要。熊本以外にもすぐにできるだろう」と、その時点では動きを見守る考えだったが、他県での設置は進まなかった。

昨年6月の妊婦の出産を支援する団体「円ブリオ大阪」の講演会で、人見代表は蓮田理事長と再会。ゆりかごに子供を預けた親や、慈恵病院へ電話で相談した妊婦の居住地が関西だったケースが一定数あることから、関西での「ゆりかご」設置を目指すことで一致し、準備をスタートさせた。

今年3月に大阪で開かれた実行委員会発足大会には医療、宗教、教育、福祉、法曹等の各界から約300人が参加した。

人見代表は「どんないのちも輝いている」と題して講演。蓮田理事長は赤ちゃんを川に捨てて逮捕された千葉県の母親が、ゆりかごを「知っていたけどお金がなくて行けなかった」と語ったことに触れ、「身近な所にないと駄目なんです。皆さん力を合わせ、関西にゆりかごを」と訴えた。

実行委では活動目標として①電話やメール、面談等による「妊娠SOS相談」事業の推進②匿名での子供の受け入れや未成年らの匿名出産も受け持つ「ゆりかご設置病院」と相談事業を担う「ゆりかご連携病院」の開設、支援③養子縁組の促進④講演会、セミナーの開催⑤青少年の生命尊重教育の推進――の5点を掲げる。実行委を9月にNPO法人化する予定で、1~2年かけて病院での「ゆりかご」開設を目指す。