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身寄りない人の埋葬地は 「墓制の無縁化」は進む(1/4ページ)

2016年3月30日付 中外日報(深層ワイド)

継承者を必要としない永代供養墓への納骨がますます増えている。少子化が進み生涯未婚率が上昇する中、自ら望んで樹木葬型の墓などを求める場合もあれば、身寄りのない高齢単身者が死後に行政により合祀墓に埋葬されるケースもある。こうした「墓制の無縁化」に直面する中で、僧侶らは墓を起点にして、縁を紡ぎだそうとしている。(丹治隆宏)

太夫浜霊苑に新設された樹木葬墓地(新潟市北区)。中央にはシンボルツリーのケヤキが立つ

松林を切り開いて整備された1450平方メートルの敷地の中央には、青々とした芝生が敷き詰められ、奥にはシンボルツリーとなるケヤキが1本植えられている。献花台がなければ、一見して墓には見えない。

多数の遺骨を埋葬して、墓石の代わりに樹木を墓標とする樹木葬型の永代供養墓が、公設霊園で急速に広がりつつある。

新潟市開発公社が運営する太夫浜霊苑(同市北区)では来月から、昨年完成した樹木葬墓地への遺骨の受け入れを始める。

芝生の下には、遺骨を「個別埋蔵」するためのスペースが1500個ある他、複数の遺骨を「合同埋蔵」するための空間も設けた。使用料は個別埋蔵の1体用が31万400円で、合同の場合は1体用が10万6800円。木綿の袋に入れた状態で埋葬する。

公設霊園で樹木葬墓の建設が進む背景には、初期費用のみで、年度ごとの管理料が要らない永代供養墓に対するニーズの高まりがある。

樹木葬墓の設置に向け、2016年度の当初予算に設計や測量の費用を組み込んだ京都市。市の担当者は「合葬形式での納骨が増えている」と明かす。

建設予定地の深草墓園(京都市伏見区)にある納骨堂。骨壺から出して合祀する永年納骨は14年度、839体だった。10年前の04年の278体に比べ3倍にもなった。

生涯未婚者が急増

『お墓の社会学』の著者である京都女子大宗教・文化研究所の槇村久子客員研究員は、継承者不要の墓が今後もさらに求められることになるという。理由の一つとして、生涯未婚率の上昇を挙げる。1965年には男性1・5%、女性2・53%だったが、2010年はそれぞれ20・14%と10・61%になった。「彼(彼女)らは高齢単身者になり、葬送・墓制における無縁化をさらに推し進める」と指摘する。