ニュース画像
多くの人が見守る中、彰義隊墓所で盛大に営まれた150回忌法要
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> キラリ ― 頑張る寺社・宗教者リスト> 震災、できること問い続け

震災、できること問い続け

福井県鯖江市・浄土真宗本願寺派報恩寺 林暁住職

2017年3月1日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

福島の子どもたちを毎年、サマーキャンプに招待。寺院での生活の仕方を教える林住職(中央)と佐々本代表(その右)
福島の子どもたちを毎年、サマーキャンプに招待。寺院での生活の仕方を教える林住職(中央)と佐々本代表(その右)

浄土真宗本願寺派報恩寺の林暁住職(56)は、地域のラジオ番組でパーソナリティーを務める傍ら、福井県の超宗派の宗教者でつくる「TERRAねっと福井」で事務局も兼ね、東日本大震災の追悼行事や子供向けサマーキャンプなどの活動に積極的に携わる。

2年前から同県鯖江市のコミュニティーFM放送局・たんなん夢レディオで、「煩悩漫遊」のコーナーを担当。「寺院にご縁のない人に少しでも仏教に興味を持ってもらいたい」との思いで、主に若い人たちを意識して、僧侶としての自身の体験や、社会問題を通して仏教の魅力をリスナーに伝えている。

毎年震災の時期には、福島の避難者の声や津波で友人を失った学生の作文などを朗読して、いまだ癒えない被災者らの思いを視聴者に届ける。

東日本大震災の一周忌となった翌年から、県内の超宗派の宗教者が一堂に会した追悼の集いを開催。以後「震災を風化させてはならない」と感じ、TERRAねっと福井を現在会の代表の佐々本尚・真宗大谷派専光寺住職らと立ち上げた。以後、毎年報恩の集いを開き、80人近い参拝者と共に、東日本大震災の犠牲者らを追悼している。

さらに、毎年夏に福島の子どもたちを福井に招待。寺院での生活の仕方や食事作法などを通して、非日常空間を子どもたちに体験してもらう1週間のサマーキャンプを開催している。

林住職は「震災から6年がたって、被災地の状況が身近に感じられなくなったり、社会全般に復興の格差が生まれている」と憂慮する。「だからこそ震災の経験を糧にして、何ができ、震災をどのように意味付けするのか、今後も考えなければいけない」と、震災の記憶を風化させないと力強く誓った。

七回忌を迎える今年の追悼の集いは、3月11日に福井市日之出の日本基督教団城之橋教会で、キリスト教式の音楽礼拝で追悼式をする他、福島原発事故に伴い東京に在住する避難者によるスピーチが行われる。時間は午後2時から。問い合わせは佐々本代表=電話090(3299)4974=へ。

(青山智耶)