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アフリカ孤児へ支援続ける

東京都台東区・天台宗金蔵寺

2016年12月21日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

講演会開催の他、現地のシングルマザーが制作したフェルトの縫いぐるみ「フェルトアニマル」を販売。売り上げは寄付金などに充てられる
講演会開催の他、現地のシングルマザーが制作したフェルトの縫いぐるみ「フェルトアニマル」を販売。売り上げは寄付金などに充てられる

東京都台東区の天台宗金蔵寺では長年、アフリカの孤児や女性への支援を続けている。ケニアで児童養護施設を運営している菊本照子さん(70)が講師を務め、毎年11月に開かれる文化講演会には、檀家や地元住民、アフリカに関心のある人々が大勢集まる。

「ジャンボ!」とアフリカ東岸部で使用されるスワヒリ語の挨拶で講演会は始まる。菊本さんはインフラが一切整備されておらず、貧しくて子どもたちが学校にも通えず犯罪に走ってしまうケニアのスラムの現状や、自身が運営している児童養護施設「マトマイニ・チルドレンズ・ホーム」で暮らす子どもたちの姿を紹介する。

同寺のホールでは、現地のシングルマザーが作ったフェルトの縫いぐるみ「フェルトアニマル」やかばん、雑貨などを販売し、売り上げはシングルマザーの収入、マトマイニ・チルドレンズ・ホームへの寄付金に充てられる。

菊本さんは「スラムでは、1日1ドルで暮らす人々が互いに支え合って生きている。かわいそうではなく、彼らから学ばせてもらっているという思いだ」と話す。

小学校の教員だった藤田泰道住職(63)は1994年から3年間、ケニア・ナイロビの日本人学校で教師をしていた。その学校に通う3人の児童の母親である菊本さんと出会った。児童養護施設や、貧困に苦しむシングルマザーについて知った藤田住職は帰国後、日本人にケニアのことを知ってもらいたいと文化講演会を始めた。2003年の第1回を除いて毎年、菊本さんが講師を務めている。

また、以前ケニアで暮らしていた友人に声を掛けて「マトマイニの会」を設立し、天台宗東京教区が主催する「一隅を照らす運動東京大会」やJICA(国際協力機構)の東京・市谷、横浜の事務所でフェルトアニマルの販売を行うなど支援を続けている。

藤田住職は「菊本さんのように忘己利他で一隅を照らしている人を皆さんに知っていただきたい。世界にはいろんな人がいて、いろんな暮らしがあるということを知ってもらいたい」と語っている。

(甲田貴之)