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近所の子やって来る「寺モニ」

和歌山県橋本市・高野山真言宗普門院

2016年12月14日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

本堂の長い廊下を楽しそうに掃除する寺モニ娘たち
本堂の長い廊下を楽しそうに掃除する寺モニ娘たち

「寺モニに行こう!」と地域の子どもたちが向かう先は、和歌山県橋本市の高野山真言宗普門院。同寺では、2013年から地域の子どもたちにお寺を開放して、静宏侑副住職(52)の指導で土曜の朝のひとときを過ごす「寺子屋サタデーモーニング」、略して「寺モニ」を行っている。

「寺モニ」を始めるきっかけは、12年の夏休みから始めたサマースクール「こぼんさん寺子屋修行」。多くの子どもたちの参加を得て無事に行事は終了したが、その後、静副住職は近所で遊ぶ子どもたちに「来年の夏にまた来てね」と声を掛けるうちに疑問が湧いてきたという。

「子どもの頃からお寺に親しんでもらうことが願いなのに、よく考えたら『お寺に来ていいのは年に1回だけだよ』って言っている気がして、もっと子どもがお寺に足を運ぶ機会をつくらねばと、思い切って月例の『寺モニ』を始めました」

対象は小学生で、檀信徒の子どもや、その友達などが誘い合わせてくる。開校時間は午前8時から9時頃までの約1時間。内容はお勤め、瞑想、掃除、お話などで、特段、子どもが喜びそうなものは準備していない。

当初は毎月第4土曜日だけだったが、ある時からピタッと誰の姿も見えなくなった。「やっぱり面白くないのかな」と心配して、理由を聞いてみたら「月1回じゃ忘れてしまう」とのこと。そこで、第2、第4土曜日の月2回に増やしたところ、また訪れてくれるようになったという。

最近は、静副住職の発案で寺子屋らしく「論語」の素読を始めた。「偉人と呼ばれる人たちも、みんな子どもの頃に論語の素読をしていたと聞いています。お経も論語も、子どもたちは声を出して一緒に読むのが楽しいみたいですね」

参加しているちょっとやんちゃな子どもの家にお参りに行った時、両親から「仏壇の前でちゃんと自分で読経するんですよ」と聞いてうれしくなった。「今来ている子どもたちが将来、親になって、その子どもたちが寺モニに来てくれるのが夢です。そのために、私ももっと色々勉強してより有意義なものにしていきたい」

(河合清治)