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「ハウス」定着、集う広場に

京都市下京区・真宗佛光寺派大善院 佐々木正祥住職・美也子坊守

2016年12月7日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

ギャラリーとカフェを備えた2階建ての「おてらハウス」。昨春には1階に精進料理レストランをオープン
ギャラリーとカフェを備えた2階建ての「おてらハウス」。昨春には1階に精進料理レストランをオープン

真宗佛光寺派大善院(京都市下京区)の境内には、ギャラリーとカフェを備えた2階建ての「おてらハウス」がある。佐々木正祥住職(63)が、広く一般に寺院を開放して誰もが出入りできるスペースをつくりたいと、2005年に落成した。昨春には1階に精進料理レストラン(水~土曜日の昼営業)がオープンするなど、人々が集う広場になっている。

ギャラリーの展示は、絵画や工芸作品など様々。服飾系の展示では販売会場にもなる。最近は年間7回ほどの展示会を開いている。

「ハウス」の支配人を務める美也子坊守(61)は、多くの作家と出会う中で臨床美術(クリニカル・アート)の存在を知り、自ら学び始めた。その手法を取り入れて、昨年から同寺の春彼岸で参拝者に講じている。トレーシングペーパーでなぞった仏画を切り取って台紙に貼り付け、背景の色を自由に塗る。それを皆が鑑賞し、語り合う。皆が楽しめて、高齢の参拝者も生き生きと笑顔を見せるようになったという。その仏画の展示会もギャラリーで開いた。

昨年は「ハウス」の玄関に、立命館宇治高の女子高生がデザインした石像「せんそうこじぞう」(戦争孤児像、戦争子地蔵の意味)を安置した。戦争孤児に思いを寄せる愛らしい石像で、近所の小学校に通う児童たちが興味を示す姿も見られ、地域の中で大人ばかりでなく子どもたちにも「ハウス」の存在が定着してきた。

「ハウス」がオープンして11年。美也子坊守は「ここを通じて様々な縁が広がったのはありがたいのですが、開場中の数日間は常駐しなければならず、忙しくなり過ぎました」と苦笑する。

企画を考える正祥住職も「今まではイベントが途切れないように続けてきましたが、この10月に私自身の仏教漫画の原画展を開いて、ひと段落といったところです」と話す。

「ハウス」の運営は収入が会場使用料のみで赤字の状態だが、もとより収入を目的に始めたわけではない。正祥住職は「何かしら社会に還元でき、皆が参加して楽しめる場所であってほしいと思います」と話している。

(萩原典吉)