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イベントで市民を元気に

大阪府豊中市・浄土真宗本願寺派法雲寺 辻本純昭住職

2016年10月26日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

「豊中の人たちを笑わせたい」と意気込む辻本住職
「豊中の人たちを笑わせたい」と意気込む辻本住職

大阪府豊中市の浄土真宗本願寺派法雲寺の辻本純昭住職(48)は、お寺でライブやバスケットボール大会、英会話やボランティア活動など多くの催しを企画する「イベント坊主」。お金を極力かけずに、ご縁のない人にもお寺を開放し、仏教や寺院に親しんでもらおうと次々にイベントを企画する。

法雲寺の敷地約300坪には「法雲寺スポーツ公園」と看板が掲げられたバスケットコートが3面ある。普段は近隣の子どもたちの遊び場だが、年に1回大会を開いている。また、本堂やホールを使用して月に1度ライブコンサートを催すなど、多彩な活動を続けている。どれも無料で参加でき、優勝者には景品を用意するなど参加者目線を重視する。イベントのほとんどは、ホームページやフェイスブックを活用して参加者を募る。

辻本住職が自坊でイベントをするきっかけとなったのは16年前。市の国際交流センターで外国人に対し日本語を教えている時だった。知人から「この不景気な時代に、寺は何もしてくれないのか」と迫られた。地域が活性化するようなイベントを何かできないかと考え、父親が会社の退職金で作ったバスケットコート内でフリーマーケットを開催した。最初は出店数も少なかったが徐々に浸透し、多い時は1日500人が訪れるほどに。得意の英語を生かして英会話教室も開いた。イベントには16年間で計2万人以上が参加した。

そんな中、8年前に過労が原因で倒れた。「市民のために何でもしなくてはという気持ちだけが先走り、ストレスを抱え込んでいた」と振り返る。「趣味を持っては」とのカウンセラーの勧めで少年時代に練習していたギターに再挑戦。寺でライブをしたら面白いと知人から言われ、自身も出演する演奏会を開いた。現在はプロの歌手が参加するほど盛況だ。

辻本住職は「蓮如上人もかつて大阪の街で堺商人とともに、民衆の目線で布教活動を展開した。経済の活性化や街を元気にするために、できることから少しずつやって長続きさせれば、たくさんの市民が信頼してくれる」と笑顔で話す。

現在も駅前に法衣姿で立ち、熊本地震の募金活動をする。「市民に寄り添う姿勢を」。辻本住職の奮闘は続く。

(青山智耶)