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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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第103回 1、問題児の行動 大人のゆがみを指摘する

天理教婦人会浪華支部長上田禯子

2014.01.07~2014.02.04

  • 1、問題児の行動 大人のゆがみを指摘する
  • 3、たすけあう幸せ 「無縁」を自ら生んでいる
  • 2、陽気暮らし 人間の生きる目的を明示
  • 4、震災で省みる 「自分さえよければ」の心

大阪南部に位置する私の教会は、十数箇所ある部内教会が地方に散在しているため、まとまった常時活動とは無縁だが、数年前、停学処分の高校生を預かったことがある。既に二つの高校で問題を起こし中退、3度目に入り直した公立高校だった。小学生の時に、こどもおぢばがえりという天理教の行事に参加したことを思いだして自ら助けを求めてきた。

当初、学校側は自主退学を促し、厄介者を早く排除したがっていた。再三退学を勧める教師に、「教育とは、子供と希望を語ることです。学校は、学びを通して希望を語り合う場所です。どうかもう一度チャンスを下さい」と、親の代わりに何回も頭を下げ、頼み込んだ。

問題児とは問題行動を起こす子供ではなく、親に問題を出してくれる子供であると聞いたことがある。悪い子供だけを何とかしようと躍起になる大人達に、むしろ大人の歪みを指摘してくれる子供なんだと、見方を逆転してくれる発言だった。

彼の学校での問題行動の原因は、家庭の中にあった。バラバラな両親、厳格で企業戦士の父親、不平不満だらけの母親。宗教者が間に立ったことで事態が変わっていった。修養の場で日課をこなすうちに、少しずつ変わり始め、その姿を両親や担任が見て、自分達の有り様を正し始めた。

夫婦は、天地を象って陽気ぐらしをする目的で創造された。父親が天なら母親は地、父親が水なら、母親は火、その五分五分の二つ一つの調和があって子供達が育つ。熱い燃え盛る火は、水によってコントロールされ、ほどよい温みになる。体温が36・5度の恒常を保つ時、健康であるように、ほどよい家庭の温度に子供はまっすぐ育つ。

どこから手を付けたらいいのかわからない問題児を、心の問題として親子を見、夫婦を見、家族のありかたを正していった時に、絡んでいた問題がほどけてきた。