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文化庁が美装化支援、寺社も部分修復に活用(2/2ページ)

2017年3月17日付 中外日報(時事展描)

外観など整備半額補助

名称は「文化財建造物等を活用した地域活性化事業費国庫補助」(17年度には「美しい日本探訪のための文化財建造物魅力向上促進事業」と改称)。補助の対象は重要文化財、登録有形文化財の建造物と重要伝統的建造物群保存地区。これまでは建物全体の修復などの根本的な修理に対しては補助をしていたが、屋根の葺き替えや壁の塗り替えなど部分的な補修は所有者が自費で行うケースが多かった。

今回の事業では、建造物、さらには付属する彫刻の一部の塗り直しなど局所的な補修にも支援できる。「軸部や小屋組等の構造に関わる部位に影響を及ぼすことなく、外観および公開範囲の仕上げに関わる部位を健全で美しい状態に回復するための工事」に、経費の50%の補助を行う。昨年度は交付件数29件。そのうち、寺社は17件だった。

埼玉県熊谷市の高野山真言宗聖天山歓喜院も16年度から17年度にかけて補助を受け、国宝・聖天堂の修復を行っている。

江戸時代に火事で焼失した聖天堂の再建に着手したのは、1735(享保20)年。大工の棟梁だった林兵庫正清と、その子孫・正信により44年の歳月をかけて完成した。

権現造りで日光東照宮を思わせる極彩色の彫刻が施された聖天堂は、夏は熱風、冬は赤城おろしと呼ばれる強い北風に襲われ、劣化しやすいという。

03年から8年かけ、大規模な保存修理工事が行われたが、すでに彩色の劣化などが生じていたため、今回の補助を受けて漆などの塗り直しとカビの除去を行っている。

同寺では、観光ボランティアガイド「阿うんの会」が同院の歴史や聖天堂に施された彫刻の意味などについて丁寧な解説するなど、観光資源の活用に一役買っている。

鈴木英全住職は「文化財を奇麗にすると、大事にしようと他の人に見せないということもあるが、皆さんには文化財に親しんでいただきたい」と語る。