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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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東日本大震災七回忌、関連死と向き合う宗教者(2/2ページ)

2017年3月10日付 中外日報(時事展描)

できる本義は回向だけ

部屋に入れてもらえると、仏壇に手を合わせて線香を上げる。位牌を見せてもらって話をしながら、その人が送ってきた生活に寄り添うようにしている。

その際に遺族から、「(震災で)亡くした人が見守ってくれているのではないか」との思いを吐露されることがある。「そういった思いをしっかり受け止め肯定することで、宗教者として精神的な立ち直りをサポートできれば」と語る。

浄土宗では、東日本大震災の七回忌法要を控えて、関係物故者の回向帳を新調した。震災で亡くなった教師・寺族・檀信徒ら宗門関係者1292霊の法名が記されており、その中には震災関連死の死者の法名も含まれている。

回向帳は岩手、宮城、福島の被災3県と、各総大本山、全国浄土宗青年会の法要で用いる。総本山知恩院などでは、一霊一霊丁寧に全ての法名を読み上げていく。

三回忌の際にも回向帳を作成し、これまでの毎年の年忌法要で用いてきた。七回忌に当たり、災害対策事務局が被災教区に呼び掛けたところ、10霊分が増えた。行方不明者を死者として弔うことになったなどによる増加もあるが、7~8霊が震災関連死の死者の法名と思われる。

災害対策事務局の宮林雄彦局長(55)は「僧侶のできることの本義は回向。未曽有の災害の菩提を弔うに当たって、今を生きている残された人にも寄り添う七回忌に、との思いがあった。『震災さえなければ』という思いを受け止め、勇気づけるには、関連死も区別はできない」と話した。