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寺社に広がる梅の病害 「輪紋ウイルス」警戒を(1/2ページ)

2017年1月27日付 中外日報(時事展描)

大阪府東大阪市・枚岡神社境内の梅林で、全ての梅の木約400本を伐採する作業が10日、始まった。梅や桃などスモモ属に被害を与える「ウメ輪紋ウイルス」(プラムポックスウイルス=PPV)が一部の木に感染したためだ。PPVは2009年、日本で初めて東京都青梅市で確認された。新たな感染樹木が今も各地の寺社などで報告されており、国や自治体は引き続き警戒を呼び掛けている。(飯川道弘)

枚岡神社で400本伐採

伐採された梅の木が横たわる枚岡神社の梅林
伐採された梅の木が横たわる枚岡神社の梅林

「紅と白の花が咲く珍しい木だったのにもったいないのう」。枚岡神社の梅林で作業員はこうつぶやくと、チェーンソーで梅の木を切り倒した。

梅林は1881(明治14)年、氏子らが神社の境内にあった神宮寺の跡地に梅の木を植えたのが始まり。大阪府内最古の梅林とされ、現在は府が管理する。約2万平方メートルの敷地に三十数種類の梅約400本が植えられ、観梅シーズンや6月の「梅狩り」は多くの参拝者でにぎわってきた。

一昨年、木に異変が見つかり、調査の結果、全ての木を伐採、処分することになる基準とされる1割以上の樹木でPPVが確認された。神社は昨年の梅狩りを中止し、伐採作業を前に10月、梅の御霊を慰める清祓い式を執り行った。

山根眞人禰宜は「伐採は忍び難く、異例だが清祓いをした。府の公園事務所が定期的に消毒しており、当初は感染についてあまり深く考えていなかった」と言う。

PPVはアブラムシや苗木を通して感染する。梅の葉に斑点や輪紋が現れ、実の早期落果や品質低下等の被害を招く。感染すると特効薬はなく、伐採して流行を防ぐしか手がないのが現状だ。

人や動物には感染しないため、木に触れ、実を食べても健康への影響はない。潜伏期間は3年とされ、伐採すると少なくとも3年間は、新たな梅の木を植えることはできない。

今後の梅林をどうするかは、府が神社や市民、専門家の意見を聞いて決めることになっている。山根禰宜は「梅の他、様々な木を植えて鎮守の森にするのが神社の考え。命を育む場、一年を通して参拝者が憩える場に再生したい」と話す。