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盛んな近代仏教研究、教団から注目(1/2ページ)

2017年1月13日付 中外日報(時事展描)

近年、若手研究者を中心とした明治から戦前にかけての近代仏教の研究が盛んだ。昨年4月に書籍『近代仏教スタディーズ』が刊行されて以来、各地で講演会などが開かれている。11月26日の法華コモンズ仏教学林での講演会では同書執筆者3氏が講演するなど、教学研究の分野でも注目を集めている。この“近代仏教ブーム”で従来の近代仏教像が見直されつつあるが、各教団の教学研究所などでは、これらの研究をどのように捉えているのか。(青山智耶)

売れ行き好調な書籍

ここ数年で出版された近代仏教関係の著作。法藏館の戸城三千代編集長は「どれも売れ行きは好調」と話す
ここ数年で出版された近代仏教関係の著作。法藏館の戸城三千代編集長は「どれも売れ行きは好調」と話す

同書は大谷栄一・佛教大教授ら3人の編者を含む総勢29人の近代仏教研究者が執筆した。昨年8月に増刷されるなど売れ行きは好調だ。

刊行した法藏館の戸城三千代編集長は「近代仏教の教科書となるよう、通史的な記述だけでなく、国際化や教養としての仏教という視点など、現在の研究の注目点を中心に、面白い本を作ろうと意識した」と出版意図について語る。

昨年5月から7月にかけて大阪市浪速区のジュンク堂書店難波店では刊行を記念し、執筆者の大谷氏、碧海寿広・龍谷大アジア仏教文化研究センター博士研究員、近藤俊太郎・龍谷大非常勤講師によるリレートークイベントが開かれた。毎回盛況で、研究者や僧侶の他に、一般の参加者も多数聴講した。

近藤氏は、この近代仏教研究のブームは、2003年の清沢満之(1863~1903)没後100年が一つの契機となったと指摘する。故柏原祐泉・大谷大教授らがけん引してきた戦後の近代仏教史研究で扱われたのが清沢で、その「個の自覚」や内面性の重視などは、後に「近代教学」として広く浸透していった。

一方、歴史学や仏教学だけでなく、社会学や宗教学の分野からもアプローチされている近年の近代仏教研究は、「近代化」によってそれ以前とどのように仏教が変化したのか、という視座で展開している。