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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 26(1/3ページ)

2012年11月20日付 中外日報
宗教の力――。津波で全てが流されても、「屋敷神」の祠はいち早く復活された(宮城県山元町で)
「屋敷神」の祠はいち早く復活された

「語り難い」体験を聴く

魂をケアする臨床宗教師

トルコのイスラーム災害救援団体ボランティアのイディリス・ダニシマズさんは「世界中どの文化にも困っている者を助けるという発想がある」と言う。「他人にしてほしいことをあなたもしなさい」という諸宗教に共通する「黄金律」と同じだ。宗教間対話について「『違い』というものは互いを『知る』ためにある。皆同じなら分かりませんから」とも語った。

宮城の宗教者らが活動する「心の相談室」ではこの異なる宗教間の協働から、さらに宗派や教派の枠を超えた宗教的寄り添いが模索されている。「臨床宗教師」養成はその具体化だ。

相談室メンバー、真宗大谷派僧侶でスピリチュアルケア専門家の谷山洋三さん(40)は、ケアにおける「宗教の力」に関して明確な筋道を示す。宗教者による心のケアは、通常は信徒やその宗教に親近感を持つ人に対する宗教的ケアと、信仰に関係なく対応するスピリチュアルケアとの二つがあるとする。

「被災地では今後、数十年間にわたって専門的な心のケアが必要であり、それは極めて地域性があるため、外部から長期の支援を受けるのは現実的ではない。地元の宗教者の臨床能力を高めるため現地で養成することが大事」という。

それは宗教的なケアであっても「布教」を目的としないため、超教派のチャプレンのような存在であることが不可欠。これが臨床宗教師で、主として所属教団の信徒以外を対象に、宗教間の協力を前提として、公共空間で、公共機関とも連携しながら、スピリチュアルケアと宗教的ケアを提供する宗教者だ。