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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 24(1/3ページ)

2012年11月15日付 中外日報
宗教の力――。繁華街で布教のプラカードを捧げる信者。人々にはどのように受け取られるか(仙台市内で)
繁華街で布教のプラカードを捧げる信者

心の中の阿弥陀に訴える

信仰への不断の問いかけ

被災地の現場に戻ろう。病院でのビハーラ僧の経験もある大阪の浄土宗願生寺、大河内大博・副住職(33)は、宗教者としての自覚に支えられ、常に自らの立ち位置を確認しながら支援活動を続けてきた。

大河内副住職は、講師を務める上智大グリーフケア研究所の仲間と、昨年4月下旬から宮城の塩釜、気仙沼などに入った。体育館の避難所で寝泊まりし、人々の生活サポートや話し相手、子供の遊び相手をした。遺体安置所での読経も。だが、かつて体験した阪神・淡路大震災とは桁違いの被害を前に、無力感にさいなまれることもあった。

被災者の悲嘆はそれぞれに異なり、複雑だ。ある高齢女性は住み慣れた自宅を津波で失い、その跡地を見ることさえできないほど打ちのめされていた。しかし、自分が緊密な人間関係を築いてケアに関われるのはほんの数人だ。そこで大河内副住職は、現地の菩提寺の僧侶らがするケアを外部から長期に支援する仕組み、ネットワークの大切さを、地元大阪に戻って説いた。

関西の仏教者らでつくり、ターミナルケアや看取りを含む福祉活動をしているNPO「ビハーラ21」の会合でも、事務局長だった大河内副住職が活動と課題を報告し、被災地支援やスピリチュアルケアに宗教者がどう向き合うべきかの論議が繰り返し行われた。

「寄り添いは一般の人でもできるが、宗教はスキルの高さ、深みを保証しているはずだ」「『俺の苦しみが分かるか』と言う相手をそのまま受け入れられるかどうか、そんな限界のある自分を受け入れられるかどうかが大事だ」