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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 21(1/3ページ)

2012年11月8日付 中外日報
宗教の力――。多くの犠牲者が出た防災庁舎の跡には「鎮魂」の祭壇が(宮城県南三陸町で)
多くの犠牲者が出た防災庁舎の跡には「鎮魂」の祭壇が

支援活動は互いに教化

真摯に苦難と向き合う

宗教者にとって、人々を支えることはその信仰とどのように関わるのか。震災直後から現地で動き続けた東京の浄土宗光照院、吉水岳彦・副住職(33)は、ずばり「私たちの支援活動は『教化』とも言えるものです」と語る。だが「教化」と言っても「援助を通じて相手に布教する」という薄っぺらなものではない。

「私たち」とは、以前から浅草を中心に路上生活者の支援をしている浄土宗僧侶のグループ「ひとさじの会」で、事務局長を務める吉水副住職は「一方的に教え諭すことではなく、支援者と支援される人の両者が教化の対象です」。

まず自らを教化する、つまり支援者は相手に寄り添うことで学び、被支援者は支援者との関わりの中で何かを感じる。「支援者は『救おう』という姿勢ではなく、わがこととして関わらせていただく。つまり教化とは、他者との関わりによる自己完成です」。丸く、童顔ともいえる優しい顔つきでそう言う。

「仏教とご縁を頂く私たちは、心至らない凡夫であっても、同じ世を生きる人全てとつながっている思いを持ち、阿弥陀如来に喜んでいただける行いをさせていただくのが肝要です」。それが活動の原動力であり、有縁の全ての人と慈しみに満ちた人間関係を形成することが理想だという。信仰と行いとがぴたりと重なっている。