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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 20(1/3ページ)

2012年11月3日付 中外日報
駒木不動寺の本堂。長くボランティアの拠点として使われた(岩手県釜石市で)
駒木不動寺の本堂

ケアする人の心のケアを

9割近くが惨事ストレス

岩手県釜石市の高野山真言宗駒木不動寺の僧侶森脇妙紀さん(50)が発願した不空羂索観音像は、持ち運びのできる持仏だ。支援活動の中で祈りや宗教の力を実感した森脇さんは、この観音像を携えて被害がひどかった海岸地域で読経をしようと考えている。

そうして仏の力で、そこで出会った人のケア、寺にお茶を飲みに来てもらうきっかけにしようと。高さ30センチほどの木彫像をいま、岐阜県の仏師に依頼している。

森脇さんの思いは、もともと現代の「高野聖」の寺だという自覚から来ている。駒木不動寺は檀家も数軒しかない祈祷所で経営は苦しい。建物はくすみ、天井から下がる蛍光灯は古びて、車も携帯電話もない。80年ほど前、貧乏で目の不自由な僧とその妻がどこからか流れ着き、小さな庵を結んで祈祷を始めた。

当時は「鉄ブーム」で巨大製鉄会社城下町の釜石は景気がよく「食べるに困ってここへ来たのかもしれませんが、町の人々としっかり付き合って寺を興した。その原点に還りたいのです」。