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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 19(1/3ページ)

2012年11月1日付 中外日報
山の中腹にある駒木不動寺。眼下には津波に洗われた廃虚が広がる(岩手県釜石市で)
山の中腹にある駒木不動寺

「幽霊でもいい」会いたい

家族と死別の悲しみ癒す

「心の相談室」の川上直哉牧師(38)は、「心のケア」と宗教者であることとの関わりに、「祈り」を据えた。苦しみ悲しむ困窮者の言葉に耳を傾け、その痛みを自分のもののように思えるまで聴き、共に苦悶する。

そして「自分は何もできないという、そのことの中にしっかりたたずみ、相手の魂を見つめ、それに向かって言葉を紡げば、それはそのまま祈りの言葉であることに気付くのです」と言う。

ただ川上牧師は医療や心理療法のケアを否定しているのではなく、そのような宗教者の寄り添いによって、その人が医師らの助言を求める気持ちになるかもしれないと考える。そして、ケア総体は「社会的な力で魂を救うこと」だと強調する。

心のケアに宗教の力はどのように発揮されるのか。この大きな「問い」を受け止めようとする宗教者は多い。「資格より人格こそが問われる」。今年、大阪市の寺院で開かれたセミナーでは、「困っている人を支える資質とは、医師などと同じように僧侶という職業や肩書身分ではなく、宗教者としてのその人間性の内実だ」という意見が大きな賛同を得た。

岩手県釜石市の高野山真言宗釜石教会・駒木不動寺に6年前、僧侶として入った森脇妙紀さん(50)は、その地元に骨を埋める覚悟で「宗教者として何ができるのか」と悩み続けた。津波で大きな打撃を受けた釜石で、老住職と2人ささやかに維持する同寺は山の中腹にあって被害を免れた。