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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 18(1/3ページ)

2012年10月30日付 中外日報
桑山医師のワークショップでは子供たちから活発な声が上がる(宮城県名取市の東北国際クリニックで)
桑山医師のワークショップでは子供たちから活発な声が上がる

宗教者は「凡夫」の自覚を

苦悶しつつ現場に聴こう

「心のケア」では、「語る」ことが重要だとする宮城県名取市の心療内科・桑山紀彦医師(49)は、そのために宗教者の役割は大きいと指摘する。今年の春、一周忌の「3・11」が近づくと新患が再び増えた。被災者が苦悩を吐き出すことのできる環境が必要で、「安心感を与えることができるのが宗教者です。その場限りではなく、ずっとそこにいてくれるという安心感」。

話し足りない時にいつでも応じてくれる、「治療なんて……。自分は病気じゃない」という人にも生活感覚で接してくれる姿勢がそれだ。

加えて、「死について、人が亡くなったことの意味を説いてほしい」と大きな期待を寄せる。決して「説教」ではない。自身が外来で患者から、死後のことについて聞かれる。僧侶が経を上げるだけで、かなりのことが解決した。

住職の「死んで向こうの世界に行ったらまた会えるよ」との言葉に犠牲者の遺族の心が休まった、そんな経験からだ。「誰もが良き聞き役になれる土壌を持っている。宗教者は『聞いていいのか』と逡巡することはないのです」