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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 10(1/3ページ)

2012年10月6日付 中外日報
仮設住宅の掲示板には宗教者による「お茶の会」の案内がよく見かけられる(宮城県塩釜市で)
仮設住宅の掲示板には宗教者による「お茶の会」の案内がよく見かけられる

生き残った人々の悲嘆

お茶を飲み受け入れる

東日本大震災で肉親や生活の全てを失い、悲惨な状況に置かれたことなどによる被災者や関係者の精神的ストレスの深刻さ、それへの「心のケア」の必要性は時がたつにつれてさまざまに表面化し、いろんなケースが報道もされた。

日本うつ病学会は昨年7月、被災後のメンタルヘルスに関する提言を発表。被災者の「心の傷」は時間経過によって軽減するものの、2割ほどは悪化したりPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったりすることから、「強い衝撃と悲しみ、疲労、過剰なストレスを抱えた不便な生活で……回復軌道に乗ることができないことがある」などと「新たな心と身体の健康問題」への留意と医療機関への早めの受診を呼び掛けた。

支援者、報道機関に対しても、安易に「頑張れ」と励ますことや被災の過剰な報道などが精神的圧迫になるとして自重を訴えた。

全国の精神科医らによる「こころのケア支援プロジェクト」も被災地の医療者らをバックアップしている。

しかし被災地では自死やうつの報告が相次ぐ。話し相手の愛犬が流されるのを見た70代の独居男性が昼間から酒を手放せず、睡眠薬を2倍飲まないと眠れないと訴える。自分を助けた娘が目の前で津波に消えた60代の母親は「私が死ねばよかった」と1年以上たっても言い続ける。家族が全滅し、仮設住宅に一日中ラジオを聴いて引きこもる男性もいる。