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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 2(1/3ページ)

2012年9月8日付 中外日報
「心の相談室」による遺骨供養は超教派で行われる(昨年6月、仙台市青葉区の葛岡斎場での百日合同慰霊祭で)
「心の相談室」による遺骨供養は超教派で行われる

「宗教の救いが欲しい」

生と死の現場でケアを

宮城県を中心とする超教派の宗教者の支援組織「心の相談室」の取り組みは、さらに被災者や一般の人々を広く支える発信活動にもつながった。

東北3県のFM局で週1回放送する「ラジオ・カフェ・デ・モンク」では、福島の僧侶で作家の玄侑宗久氏ら著名人が被災地へのメッセージを語り、さまざまな支援情報が流される。震災後をいかに生きていくかといったテーマで、ホスピスケアの柏木哲夫医師らの講演会も相次いで開き、今夏までに3回行われた。

だが移動傾聴喫茶や電話相談も含めたこうしたケア活動を通して、人々の悲嘆や苦悩に向き合うことに、参加した宗教者の誰もが精通しているわけではない。

そこで相談室では海外でチャプレンの訓練を受けた人など専門家を招いて研修を重ねた。カトリックのシスターの立場で「生と死」のケアに関わる高木慶子・上智大グリーフケア研究所長、谷山洋三・臨床スピリチュアルケア協会事務局長らが講師となった。そうして出来上がったのが「心の相談室チャプレン行動規範」。A4判9ページにもわたる詳細なものだ。

「ケア対象者の人間・個人としての尊厳、信念・信仰・価値観を尊重する」「性、年齢、信仰等で差別しない」などの「倫理綱領」編から始まって、「心得」編では、「『心のケア』を押し付けない」「話したくなる条件を整え、信頼関係を構築する」「物理的ニーズへの対応の重要性」。

そして「ケアは自己満足のためのものではない。自分がケアを必要としている時、他人もそれを求めているかのように認識しがちな『逆転移』が生じていないか確認する必要がある」とする。