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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支える思い 16(1/3ページ)

2012年9月1日付 中外日報
仮設商店街の居酒屋。数少ない憩いの場になってはいるが…(岩手県大槌町で)
仮設商店街の居酒屋。数少ない憩いの場になってはいるが…

無縁社会で孤立する男性

心に袈裟着け縁を求めて

仮設住宅で支援の集まりを続ける「サンガ岩手」の僧侶吉田律子さん(65)は、男性の参加者が少ないのが心配だ。手仕事の会などを開いてもなかなかで引きこもる人も多い。「アルコール依存症も増えています」

避難所から仮設住宅に傾聴支援活動の現場が移ってから、男性が出てこないという話を各地で聞いた。集会所で開かれる「お茶っこ」の会を遠くでたばこを吸いながら眺める老人や、各戸に呼び掛けに回っても返事もしない人をよく見掛けた。

阪神・淡路大震災の仮設住宅孤立死者数でも男性は161人と女性の2倍を大きく超えた。医療機関によるとその死因の3割が肝硬変、うち70%がアルコール依存だったと報道された。

仮設団地で、朝から酔って大声を上げる男性。保健師らが巡回訪問するが、酔っていない時は何を話し掛けても黙り込む。阪神での経験を生かそうと神戸から駆け付けるNPOがあり、日蓮宗の僧侶グループは「男の料理教室」を開いた。

「元々仕事人間の男は地域の付き合いをしない」「職業的なステータスが崩れ、社会とのつながりが切れると弱い」。そんな声を被災地のどこでも耳にした。孤立死問題の背景には、震災以前からそれ以降も続く「無縁社会」と呼ばれた問題が浮かび上がってくる。